ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

そんな人もいるんだと...

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オープンコンペで出会う人には、いろいろな人が居る。
いい人、悪い人、変な人、おかしな人、珍しい人、何処にでもいる人、嫌な奴に馬鹿な奴、悲しい人に寂しい人、カラ元気屋にやせ我慢屋、もっと生きてて欲しい人、速く死んで欲しい人...

なんて、勝手な事言ってるけれど、この人はそんな人達とは全く違った...「違う人」だった。

同じ年,,,だけど、髪の毛は黒くフサフサで(染めてるんだろうけれど)、長髪に片耳ピアス、いい色に日焼けして白い歯で...
ハンサムな若さを残した中年風で、人当たりも良く、ゴルフも歯切れよくスピーディー。
腕はシングルハンデで、癖の無い良いスイングをしている。

...ラウンドしながらの彼から聞いた話。

明後日には日本を発って、ラスベガスに行く。
ラスベガスには、一流ホテルの部屋を一部屋、年間契約してとってある。
そんなホテルが、東南アジアとヨーロッパにも。
カジノが好きで、よく遊びに行く。
昨年は、半年以上かけて世界一周クルージングしていて、大震災のニュースもヨットの中で知った。
普通、一年のうち8ヶ月は外国で暮らしている。
ノートパソコン一台あれば、仕事はできる。
若い頃、他人より何倍も懸命に働いた。
その貯めたお金を元にして、今は投資家として暮らしている。
しっかり勉強して、堅実な投資で成功している。
ギャンブル性の高い、信用取り引きは一切しない。
堅実な情報を大手証券会社から得て、信用に応える用意はいつもしている。
そのために動かせる資金は、数千万以上いつも用意している。
日本にずっといないのはそういう情報を得るためもある。
ゴルフは、世界中の名コースと言われている所は殆ど回った。
奥さんには十分な額を渡しているので、それぞれ自由にやっている。
子供は既に就職しているが、自分の資産を当てにしているなら自分の言う事を訊くように言ってある。
最近、息子の付き合っていた女性が好みではなかったので、自分の資産を当てにしているなら別れろと言った。
子供はそれに従って、その女と別れた。
...

等々。

何処の世界の話だろう?
少なくとも自分の人生の、歩いて来た道の周りには、そんな人生は無かったなあ。
彼は、嫌な感じを持たせない好人物。
しかし、どこかの違う世界の住人。
一万円のプレーフィーを考える自分達とは、比べようもなく。

そういう人生を送る同い年の男もいれば、一人病院のベッドにいる同い年の男もいる。
...勝ち組と負け組では済まされない違いがある。

しかし、もう一度人生をやり直せると考えて、自分は彼のようになりたいだろうか?
彼の持っているお金は正直羨ましい。
しかし、自分の来た道を振り返ると、自分の生き方では、今の自分がベストの自分。
莫大な収入と引き換えに、絵を描き始めてからの人生を捨てる事は出来やしない。
何より出会った人達が、みな捨て難い。
良い奴も嫌な奴も捨て難い。
素晴らしい女性達は、もっと捨て難い(笑)。

まあ、金を持っていない貧乏人の、焼きもち嫉妬の類いからだろうけれど、彼に会ってそんな事まで考えた。
そうなんだ...ピンと来ないけど、凄いんだ...って。

...彼は、高そうな黒いベンツで、微笑みながら帰って行った。