ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

消極的な気持ちがある限り...

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「消極的な気持ちがある限り、バンカーショットはいつまでたっても上達しない」...ジーン・サラゼン。
ジーン・サラゼンは、1920~30年代に活躍した名ゴルファー。
メジャー7勝(1935年マスターズ、1922年・1932年全米オープン、1932年全英オープン、1922・1923・1933年全米プロ)。

バンカーショットを劇的に易しくした、「サンドウェッジ」の発明者としても知られる。
そのジーン・サラゼンは、ともかく自分の発明したサンドウェッジを「信じろ」と、バンカーショットについていくつもの言葉を残している。

この言葉は、以前にも描いた「バンカーショットに必要なのは勇気だけだ」なんて言葉と、対をなす言葉だ。

ただ、以前書いた「バンカーショットに必要なのは勇気だけ」という言葉には、初心者やバンカーに慣れていない人のために「怖がらなくても大丈夫」的な意味があった。

この「消極的な気持ち」というのは、色々な経験を経てバンカーショットが苦手になってしまった人へのアドバイス、と思えるのだがどうだろう?
バンカーショットに勇気を持って対して来ても、やはり普通のダッファーにとっては、ラウンド数が少ないし、その中でのバンカー体験なんてのは本当に少ないものだろう。
大体、バンカーショットの練習が出来る練習場も少ないし、偶のラウンドで、偶々入ってしまったバンカーにそんなに自信が持てる訳が無い。
そんな所で、往々にして「勇気を持って強く振ったら、大ホームラン」「勇気を持って深く打ち込んだら、ボールは出ずにもっと悪い状態に...」なんて経験をしてしまう。
...これがトラウマになる。

例えば、ホームランして向こうのバンカーにまた入り、そこからまたホームランして元のバンカーへ。
「ゆっくりでいいよ、先に寄せておくから」とか、「バンカーならしておくから、向こうのバンカーに行っていいよ」なんて、同伴競技者の優しい言葉が胸に刺さる。
慌てて打ったバンカーショットが、また...

例えば、打ち込んでも打ち込んでもボールは出ずに、どんどんライは悪くなり、同伴競技者はみんなグリーンの上から同情を込めて見守る...後ろを振り向けば、次の組が腕組みして待っている。
気持ちばかり焦っても、酷く難しいライに入ったボールは全然出そうにない...

そんな思いをしてしまうと、バンカーにボールが入るたびにそれが頭にフラッシュバックしてくる。

ビビってしまうのはしょうがない。
消極的になっても、同伴競技者に迷惑がかかるのを恐れて、一番安全策で「出すだけ」を徹底するしかない。
ジーン・サラゼンさんが、「それじゃあ上手くならないよ」って言ったとしても、勇気を振り絞ったあげくについたトラウマは、そう簡単に消えはしない。

しょうがないよね。
練習する機会も少ない凡ゴルファーは、まず消極的にでもバンカーから「出すだけ」を積み重ねて行って、少し自信がついてから少ない勇気を絞り出そう。

サラゼンさん、易しいはずのあなたのサンドウェッジだって、まだまだバンカー練習出来ない普通のゴルファーには少し難しい...弱気になるのもしょうがないか、と。