ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ジーン・サラゼンさん、あんたは偉大だよ

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先日の今年3回目のラウンドで、俺はしみじみ思ったよ。
ジーン・サラゼンって人は、吾々ヘボゴルファーの恩人だね、って。

シーン・サラゼンって人は、「サンドウェッジにバウンスをつけることを発明した人」ってことで知られているが、実は彼以前の時代にもソールにバウンス(バンスとも言う)らしきものをつけたクラブを何本か見たことがある。
多分名も知れない個人の楽しみのゴルファーが、ああだこうだとクラブに工夫しているうちにたどり着いたものなんだろう...ソールに不器用に鉄板を溶接して、バウンスらしきものをつけたクラブだ。
クラブに明確な基準が無く、コースもまだ普通の草っ原に近かった様な時代、ゴルファーは知恵を絞ってその「自然」で遊ぶ道具を改造していたんだろう。

ただ、ジーン・サラゼンの様な世に知られた名手がその改造理由まで明かしたことによって、このバウンスという奴がどのくらい有効かということが世間に広まったんだから、彼の「発明」という事になったんだろう。

実際、この前のラウンドでその有効性が本当に凄いということを俺も改めて確認した。
古いニブリック...写真のものだが、現代に作られている「タッド・モア」のニブリックと比べてみてほしい。
タッド・モアのニブリックは現代のアイアンと同じくソールが広めで、普通のバウンスがついていて、バンカーでもアプローチでもシャフトしなりと重さ以外現代のウェッジと同じように打てる。
しかし、この古いニブリックは...芝の薄いライでは実に難しかった。
ちょっと開いて滑らそうとしても、全く滑らずに地面をスッパリ切ってしまう(笑)。
上から行くと柔らかい球が出せずに、オーバーしてしまう。
かといって加減すると見事にフェースが突っかかる。
50y以上ならそれほど失敗はないが、30y以内だとほぼ言う事を聞かない。
フワッとバンカー越えのつもりが、フェースが止まって1yしか飛ばないとか、ボールに直接カツンと行くと(糸巻きボールがヘタっている所為もあって)グリーン完全縦断とか(笑)。
止むを得ず現代物のタッド・モアで同じ事をやってみると、実に簡単にソールは滑ってくれて、ほぼ1m以内に寄ってくれる。

じゃあ、なんでわざわざ難しい昔のニブリックを使うのかと言うと...おバカな話だとわかっているが、俺自身の「自己満足」と「見栄」と「美学」のためだ。
まあ、言い方は変えても結局「こんな難しいニブリックで寄せるなんて、ああ俺はカッコイイ!」と言う誰に見せるわけでもない「見栄と虚栄と自虐の自己満足」としか言えない(笑)。
だって、自分じゃウルトラDクラスの難しいアプローチが冷や汗もので成功したからって、別に誰も褒めてくれないしスコアが良くなる訳でも無いんだし。
ただ、ほとんどミスショットのゴルフにも自分なりの「安きに逃げずに筋を通してるんだ、俺は!」という満足感は残る(笑)。

今の俺のゴルフは、以前のように「どのくらい飛ばしたか」とか「バーディー・イーグルいくつ取れたか」「いくつで上がったか」より、「ちゃんと当たった!」「この古いクラブ最高の能力を引き出せた!」「なんて気持ちいい打感なんだ!」の方が楽しいんだからしょうがない。

もちろん、「その上で」スコアも良かったらもっといいんだけどね。
贅沢は言わない。