ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

風が吹いたら、いつも追い風のつもりでスイングすればいい

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「風を過大評価してはいけない。風が吹いたら、いつも追い風のようにスイングすればいい」...カーチス・ストレンジ。

カーチス・ストレンジは、ツアー17勝(うちメジャー2勝)。
メジャーは1988年89年の全米オープン連覇。
これはベン・ホーガン以来38年ぶりの快挙で、その後も達成したゴルファーはいない。

何よりも、あの正確性で勝負した全盛期のニック・ファルドを根負けさせたくらい、その正確なゴルフが売りだったストレンジの言葉だ。
どんなときでも、状況に左右されないショットを打っていた「コツ」はこんな所にあったのかもしれない。

ゴルフに風はつきもの...というより、野外の自然の中でやっているゲームなんだから、風のない方が不自然だろう。
ゴルフをやる限り多少の風があるのは当たり前だと考えた方がいい。
その風が、我々の頭を悩ませ、考えさせ、迷わせ、スイングに強く影響させる。

そうなる理由は、ゴルフを始めるとすぐに、あの堅いゴルフボールが何とも簡単に風に乗って、曲がり、吹き上がり、押されて行くのを経験するからだろう。
自分の打ったボールも良く曲がるものだが、風にあおられた固いゴルフボールがまるでピンポン球のように吹っ飛んで行くのは、実際にそれを見たものにしか信じられない光景だ。
横からの風には、フェアウェイを横切って反対側迄流されて行く。
追い風には、当たり損ねのボールだってなかなか地面に落ちて来ないで遠くに飛んで行く。
そして向かい風には、高く吹き上がるだけで全然飛ばない...それどころか、こちら側に戻って来さえする。

これは実際のボールの性能よりも、むしろ心理的なもののスイングへの影響がプラスされているからでもある。
ゴルフというゲームは不思議なもので、普通の考えの「常識」がミスの元となることが殆ど。
むしろ、一番に心に浮かんだことの逆のことやる方が正解なことが多い。
風に対しても同じ。
向かい風、というだけで本能的に風に対抗しようと、普通のスングより力を入れてしまう。
するとボールには余計なスピンがかかり、結果としてより風に弱い球になってしまう。
横風に対しても同じ事。
その風に対抗しようとすればするだけ、余計に風に影響されるボールを打ってしまう事が多い。

ただ、向かい風に対して「力を抜け」というのは、言うのは簡単だが実際にやることは易しくない。
そのために、カーチス・ストレンジは「追い風のつもりでスイングしろ」と言っているのだ。
覚えがあるだろう、(特別強い強風の追い風は別として)追い風と感じたとたんに気持ちが楽になり、結構いいスイングが出来たこと。
「多少ミスしても追い風がボールを運んでくれる」と思えば、不安感で無駄な力が入らずに素振りのようにスムーズに振れる。
向かい風に対して追い風のように振れれば、ボールに余計なスピンがかからないためにドロンとした、風に煽られない球となって意外に飛んで行くものだ。
横風に対してだって、同じ理由で追い風と思うだけあまり風の影響を受けない球筋となる。

力ずくで対抗しようとしても、普通のゴルファーは絶対に風には勝てない。
力ではなく「追い風」と思う気持ちの持ち様で、風の日のゴルフを楽しもうじゃないか。

...ただ、このブログのタイトルを見れば判るように、自分は「いつもアゲンストウィンドばっかり」なんだよねえ。
追い風のときの気持ちなんてあまり長い間経験してないんで...どんな気持ちだったっけ?