ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2010全英オープン 最終日

イメージ 1

優勝争いは、1勝しかしていない無名のゴルファーに「どうぞ勝って下さい」というような不甲斐ない他のゴルファー達のおかげで、何のドラマもない退屈な最終日だった。

優勝したウーストハイゼンは確かに固いゴルフを続けていたけれど、プレッシャーをかけるべき同じ組のケーシーが1番ではワンピンのバーディーパットを外し、先にボギーを打ち、やっと差を縮めたと思ったらトリを打つという始末。
先を行く3位グループのゴルファーは前半誰もスコアを伸ばせない。
ウェストウッドは、なんだかこんなゴルフが当たり前になって来たような気がする...所謂「善戦マン」だ。
いいところまで行っても、決して首位には立てなくて...結局終わると2位とか3位とか。
とうとう無冠で終わった、C・モンゴメリーのようになるんじゃないかって気がしてきた。

期待していたスエーデンのステンソンも、ドイツのカイマーも、勝負どころのパットが全然入らず、一度も首位を脅かすことは出来なかった。

優勝したウーストハイゼンに、これから偉大なゴルファーになるというオーラは感じられず、全米オープン全英オープンに時々ある「ゴルフの神の気まぐれ」みたいな気がしている。
そういう「普通の一流ゴルファーの殻」を打ち破るスケールを感じさせてくれたのは、マキロイくらいだった...可能性という面では「エンジンを大きくしたら」石川も、だけど。

気になったのは、スタートしてからしばらくウーストハイゼンが身振り手振りで盛んにケーシーに話しかけていて、ケーシーがそれに答えて話をしていたこと。
この姿はウーストハイゼンが自分の緊張をほぐすための手段として、話しかけていると感じた。
この最終日は、3位以下は差がついていたのでほぼ二人の一騎打ち...いわばマッチプレーのような状況だった訳で、追う立場のケーシーとしては逃げる立場のウーストハイゼンからの話しかけには乗らない方が良いのではなかったか。
一言くらい返事はしても、「自分が彼を追う」ということをはっきりさせて黙って自分のゴルフに集中するべきで、ウーストハイゼンの緊張をほぐすことに協力する必要は全くないと...
ケーシーという男は、根が親切で善良なのかもしれない...彼が崩れ去ったあとは、ウーストハイゼンは殆ど彼に話しかけたりしなくなり、自分のプレーに集中していたのでそんなことを特に感じてしまった。

今年の全英オープンのハイライトは、結局2日目のトム・ワトソンのセントアンドリュースとの別れのシーンであった、と思う。
今年の本当の全英オープンはあれで終わったのだ。
あとの2日は、「ザ・オープン」とは言えないような、二流の試合だった。

唯一、未来の光が見えたのが、マキロイとジオンや石川の若い勢い...
タイガー、ミケルソンに衰えが見え始めた今、ワトソンの退場を象徴として、一世代から二世代にかけての世代交代が起きかけているような気がする。
今年の全英オープンは、そんな谷間の出来事だったのかも...