ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

狂気の科学者・ブライソン・デシャンボー その3

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さて、「捕まるけど飛ばない」のがハンマー打法だった、と書いた。
普通は捕まれば飛ぶと思いがちだが、再現性を高めるためにゴルフスイング を科学的に考えた結果、「大きな筋肉を使って余計な動きを極力しないシンプルスイング」というのがハンマー打法なのだ。

ハンマー打法の動き...「足をきっちり安定させて、膝から上の大きな筋肉だけを使って、頭を上下動作せず、重いハンマーで釘を打つように振る」を実践していると、コスリ球や当たり損ねというのが少なくなって、フェースにきっちり当たる割合がどんどん高くなる。
しかし、手首や肘や足首や頭を動かして強くクラブをぶん回していた以前のゴルフの時に比べると、ヘッドスピードは落ちて飛距離が出ていない、という事もしっかりわかってくる。
ちょっと手先の器用な筋肉の動きをプラスするだけで、グンと飛ぶようになる事も。
で、我慢できずに「ちょっと」のつもりで「飛ばしたい」と思ったことが地獄への一本道...コントロールの効かないフック球にとりつかれることになる。

じゃあ、クレージーサイエンチストはどうしたか?

俺のみたところ、一つはグリップ。
であとは...

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「ハンマー打法のツボは変えないまま、圧倒的に筋肉強化してボールをぶっ叩く!」がデシャンボーの結論じゃないか?
つまり、この再現性が極めて高いスイングを壊さずに飛距離を伸ばすには、筋肉の強化しかなかったとの答えでこんな身体にしちゃったんだろう、と俺は思う。

両手の三角形をぐっと太くなった腕のまま極限まで変えずに振り上げる。
左腕は曲げないまま、上体の大きな筋肉と腰回り太腿の周りの筋肉まで総動員しての限界まで捻り上げ、そこからの強烈な切り返しの後、「左腕が伸びている限り絶対にボールのところに正確にヘッドは戻る」と信じて、背筋や腰や太腿や、もちろん腕力・・・特に右腕のパワーを全開させて叩く!

だから彼の全力スイングはメチャクチャ楽しい。
ボールがパンクするんじゃないというくらい、ハンマーで叩くその馬鹿馬鹿しさは見世物としちゃ最高だ。
なんか俺のストレス解消には最高という感じ。

そして、デシャンボーはハンマー打法をしている限り、故障する可能性は少ないと俺は思う。
頭を動かさない綺麗なスイングと定評のある、ジェイソン・デイが常に背中を痛めているのと対照的だ。
というより、俺はジェイソン・デイもハンマー打法にすれば故障しないのに、と前から思っていた。
ま、そんな話はいずれまた。

本人の人物は全く好きじゃないけど、その全力めちゃ振りスイングは見ている分には実に気持ち良いし楽しい。

飛ばせ!飛ばせ! どんなホールでも400ヤードだ!
なんてね。