夏の終わり。
一人飲みの酒場で二人飲みの酒を見る。
夏が終わって秋になれば一人飲みが増えるんだけど、この時期に二人飲みなら一応続く仲ではあるんだろう。
すっかり観客になったジジーには、それは羨ましいような懐かしいような。
少し酔いが回ってくると大体変なことを考える。
例えば...不思議な気持ちになるのは、俺の若い頃に周りで輝いていたあの美しい女性達が、いつの間にかフツーノオバーサンになっちまった事。
女性は怒るかもしれないが、俺はあの特別な美しさってのは永遠なもんだと思ってた。
俺がどんなに汚いジジーになったって、あの人達は美しいままだと思ってた。
勝手な思い込みファンタジーだったんだろうけど、なんだか自然にそういう風に信じてた。
...一人酒場の片隅で他人を見ながら飲んでると、ホントにバカバカしいことを考える。
秋なんだよね。
みんな酒のせいだけど。