困ったなあ...
飲み相手が誰もいない。
行きつけの店が、もう何処にも無い。
あいつはもう一緒に飲めない世界へ行っちまったし、あいつはもう飲めない体になっちまった。
あいつの行方は知らないし、あいつは飲みに誘っても来ないだろう。
考えてみりゃあ、今までだってほとんどは一人で飲んで来たんだが、誘えば来るやつはいつでも居た。
ここ十年以上飲んで居ない相手の名前は、アドレスにはあってももう昔と同じじゃないだろう。
一人でぶらりと寄れるような店の、親父達はみんなどこかに行っちまったし、みんなもう年を取り過ぎた。
生ビールより、キンと冷えた純米冷酒か、あるいは安酒の熱燗か...秋は酒が旨くって、その酒を二人で飲みたくなる季節。
しかし、そんなに都合良くは相手はいない(ほんとはいつもの事だけど)。
だから美味い摘みを余計に頼んで、一人宴会を盛り上げる。
きのこに鍋に焼魚、刺身に珍味に木ノ実まで。
何時もの事ではあるけれど、慣れてることではあるけれど、つい考えてしまうのが情け無い...ああ、あんたがここに居たならば...
秋の夜が言わせるジジーの独り言は、言っても書いてもみっともない。
やっぱり、秋になったんだねえ(笑)。
それより、やっと秋になったから、お楽しみはこれからだ。