ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ジャック・ホワイトのヒッコリードライバー

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先日の小名浜でのヒッコリーゴルフで、初めてジャック・ホワイトのドライバーを「強め」に打ってみた。
ボールはこのクラブの強度を考えて、古くて柔らかいレクスターのスモールボール。
このレクスターの古い糸巻きスモールボールは、飛距離やスピンという性能で見るととっくの昔に寿命は過ぎている(作られたのはもう50年以上前か?)はずなので、飛びに期待は出来ないが打った感触は昔と同じはず。
(それにスモールボールというのは、以前は「イングリッシュサイズ」と言われていて普通にイギリスやヨーロッパで使われていたから、このクラブが作られた当時は当然このサイズのボールを想定していたはず。
ちなみに今承認球として世界で使われているボールは、以前は「アメリカンサイズ」と言われていて、世間では「スモールボール」に対して「ラージボール」とされていた。)

このジャック・ホワイトのドライバーを、改めて今の460ccのチタンドライバーと比べて見ると、その違いに唖然とする。
このフェースの面積の違いはなんなんだ?

今のクラブを見渡してみると、俺の手持ちのクラブではキャロウェイのスチールヘッド3の7番ウッドがほぼ同じサイズだった。



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...ただ、構えてみると、7番ウッドよりずっと小さく感じる。
まるで「耳かきの先のほんのちょっとある出っ張りでボールを打つ」様な感じ。
「当たる部分が小さ過ぎて」手に入れた時に練習場で加減して軽く打ってみたら、ほとんど芯に当たらなかったので今まで使わなかったクラブだ。
このクラブは、俺が集めたヒッコリーウッドの中では2本しかない珍しい「貼り合わせ」でシャフトとヘッドを繋いでいる。
他のウッドは、シャフトヘッドからソールまで通して接着してある「スルーボア」なのだが、これはあのロングノーズと同じように斜めに木材を切って貼り合わせてあるのだ。
これは美しいのだが、何せ使われているのは100年前の接着剤...どんなに当時優秀な接着剤であっても、これだけ時間が経てば当然劣化はしているはず...間違いなくあと何回か使えば「剥がれる」ことになり、使えなくなるだろう。

でも、このまま腐らせるのはもっと可哀想と、あの小名浜で一回だけスモールボールをしっかりと打ってみた。
正直構えるとヘッドがあまりに小さ過ぎて、当たる気がしなかったのでほんの5ミリほどだけティーアップした。
フェースに当たり損ねて、とんでも無いところに行くことを覚悟してやや強振したボールは...
「えっ?」という驚きと「すげえ気持ちいい!」という快感を残して、「ビシッ!」とシャープに飛んで行った。
飛距離的には200yを超えたぐらいだったと思うが、なんとも言えないシャフトのシャープな走りとヘッドの「弾き感」を残して、本当に美しく飛んで行った。
当たったのはほぼフェースの中央、ボールだけをしっかり捉えたけど、ソールについている「動物の骨」(鹿の角?)の部分が小さく弾けて「穴」があいていた。
これはヘッドがボールに当たった瞬間に弾けたようだが、正確なことは分からない(全くダフって無いし)...が、何度も打つとこの部分は全部バラバラに割れるような気もする(ヒビは見当たらないが)。

集中してスイング出来れば、使えると思う...何より現代物のヒッコリーウッドとは比べ物にならない打感の良さだった。
ただ「いつもそういうスイングが出来るか?」と、「このクラブはどのくらい持つか?」ということが不明で、エースとして使うことに迷いがある。
(もちろんこれを使う時は、柔らかい糸巻きバラタカバーのスモールボール使用が前提での話なんだけど。)

上手くいけば気持ち良いだけで、スコアとは関係無いんだけれど...今の俺のゴルフには一番大事な事なんだよな。

ああ悩ましい。


(補記。ジャック・ホワイトはボビー・ジョーンズのヒッコリードライバーを作っていたと言われるクラブ製作者。)