ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

これから、「俺のゴルフ」を楽しみたい訳だけど

 

思ったより飛ばなかった、スコアがまとまらなかった現代クラブの「リハビリゴルフ」はもう終わり。
パーオンは普通に狙えるし、飛ばなくなったとは言え「距離の計算」の出来る「壊れない」現代クラブは、やはり使いやすい易しい道具だった。
もちろん腕が悪いので、思い描いたショットとはかけ離れたものになる事が多くて結果はろくなもんじゃなかったけれど。

 

写真は、これから使うつもりのヒッコリークラブと使っていた現代クラブの比較写真。
現代クラブの7番アイアンと、上が「100年前のヒッコリークラブのマッシー」アイアン。
中が現在も作られているヒッコリークラブ、「タッド・モアのマッシー」アイアン。
100年もののクラシックヒッコリーアイアンと比べると、ネックやシャフト全体がかなり太いのが分かるだろうか。


100年ものの古いヒッコリークラブは、当時使われていたボールで十分な性能が発揮出来るように作られている...ガタパーチャボールや、初期のイギリスサイズの糸巻きボール(スモールボール)などだ。
こうした100年もののクラブにとって、(イギリスの基準の)スモールボールから(アメリカ基準の)ラージボールに統一され、サイズや重量が増し、それから飛距離やスピン性能が追求されて進化して来た2ピースボール・3ピースボールのショットの衝撃は、その耐久性能を遥かに越えてしまっている。
だから、今の現代ボールでヒッコリーゴルフを楽しもうとすると、きちんと打っても簡単に100年もののクラブの「ヒッコリーシャフト」は折れてしまう。

そして困った事に、ヒッコリーゴルフというものがほぼ100年絶えて来たために、そのクラブに使えるシャフトや修理が出来る技術者がまず残っていない...壊れる前と同じように修復することは不可能なのだ。
だから、今ではシャフトが折れたりヒビが入ったら、それでそのヒッコリークラブの寿命は即終わりとなる。

 

中のクラブはそんな状況でも「自分もヒッコリーゴルフを楽しみたい」というゴルファーが少数ながら居続けたために、気まぐれなメーカーが作った「現代版ヒッコリークラブ」。
ただし、先に書いたようにヒッコリーと言う木の目利きがいなくなった為か、昔のような精度のクラブは作れなかったらしい。
また、たとえ同じ基準で作れても現代ボールの「重さ・硬さ」に耐えるものが出来なかったために、シャフト全体が一回り昔のヒッコリークラブより太くなっている。(ネックあたりを比べると一目でわかるだろう)
また、ヘッドの材質も100年もののヘッドが、基本「村の鍛冶屋」が手作業で作っていたものが多かったためか、純鉄でフェースのラインも一本一本彫っていたものが多い。
ソールは刃物のように切れ味鋭く、少しのミスも許してくれないスクープソールが当たり前。

しかし、現代のヒッコリークラブのヘッドはステンレス製で、スコアリングラインも「いかにも工業製品」的な仕上がりとなっている。
その代わりにヘッドデザインは後に当たり前になった「バウンス」を普通に備えて、昔のものよりずっと丈夫でボールを上げやすい。

そして俺の個人的な感想だが、そうした全体的にシャフトを太めに頑丈に作られたクラブは、打感が非常に鈍く感じる...ただし、「あまり変わらない」と言う人も居たので、これは俺の「見た目」からの偏見かもしれない。

 

こんなヒッコリークラブに比べれば、現代クラブは折れる心配はまず無いし、ソールにバウンスがついているし...やはり進化している道具だ。
スコアのためにはこっちが比べもにならないくらい優秀で、飛ばない・安定しない・バラつく・難しい・のヒッコリークラブを使う理由は無い...だから自分達を、つい「変態ゴルファー」と笑ってしまうのだ。

 

そうそう、これらのヒッコリークラブで使うボールは大問題。
先に書いたように評判の良い現代ゴルフボールを使うと、(例えタイトリストのV1でも)古いヒッコリークラブは簡単に折れる。
ディスタンス系のボールなんてとんでもない話だ。
一応ヒッコリー用の現代糸巻きボールは1個千円で売っているらしい...俺は使ったこと無いけど。
他に松村博士の情報だと、使える柔らかい現代ボールもいくつかあるらしい。
俺はオークションで30年くらい前の古い未使用糸巻きボールを20ダースくらい手に入れた。
もちろん未使用と言っても使っている糸ゴムが今でも粘性を持っている訳が無く、ただの「ゴム団子ボール」に劣化しているのは分かっている(現にスピンは殆どかからない)。

ただ、古い糸巻きボールの「S」サイズ(つまりスモールボールね)を100年もののヒッコリークラブで引っ叩いて、見事に当たった時の快感は何物にも代え難い(笑)。

 

ま、他人に説明し難く、自分にしかわからない楽しみの追求なんだから、声を大にして勧める事でも自慢する事ことでも無いんだけどね(笑)。