ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

令和という時代が始まった

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まさか、三つ目の時代に立ち会うとは思わなかったな。
自分が生まれ育った昭和という時代が、本当に遠くなったんだと感じている。

自分の感覚での昭和というのは、ともかく同年代の人間が多くていつも競争をさせられていた時代だった。
その中で、同じレールの上での競争からドロップアウトして、道のないところを走りたいと思った自分の決断は、今でも「よくも飛び出す事が出来たな」と感心する英断だった。(当時は無謀な自殺行為とも言われた)

全く先の見えない霧の中を突っ走るような人生で、よくぞ俺は「いい人」達に出会えたものだと思う...幸運だった。
その出会った人達...俺に道を教えてくれて力を貸してくれた人達の、誰が欠けても俺が今こうして生きていることはなかっただろう。
今になってみれば、なんて俺は運の良い男だと「ヤオヨロズノカミ」に感謝するしかない。

昭和という時代、俺はいろいろな素晴らしい人達に出会えた後、ゴルフに出会えた。
30代半ば、出会った人達の一人が「ゴルフのイラストを描かないか?」と誘ってくれた。
この「ゴルフ」というものは、仕事で関わらなければ絶対に自分から触れる事は無かったシロモノ...それが結局、俺のそれ以後の人生にこんなに大きな影響を持つようになるとは...人生というのは面白い!
この時ゴルフに出会っていなかったら、俺のその後の人生は今とは全く違っていたはずだが...その人生が今の人生より良いものかも、なんてとても思えない。

平成という時代は、俺の仕事も生活も「ゴルフ」を中心に回転して行った時代だった。
俺のプレー自体は平成の10年頃に競技熱のピークがあって、それ以降は体の故障や病気や仕事の流れで、言わば「不良中年ゴルファー」となってグレて行った。
仕事で常に接していなかったらゴルフから離れたかもしれない時代だが、「食う」ためにゴルフのイラストを描き続けたおかげで、今のように「変態ゴルフ」を楽しめる老年期を迎える事が出来たのは幸運だった。


...ここ数年で、何人もの「ゴルフ仲間」が亡くなり、何人もの「飲み仲間」を失った。
この新しい「令和」という時代は、俺たちには色々なものを失う時代となるだろう。
だが、それは悲劇ではなく人の世の常であり、全ての人に起こる事であり、「これから」それを経験することは「今まで」幸運で幸せだった証拠でもあるはずだ。

新しい、時代。
我々は、覚悟を持って残った時間を楽しもう。
まだ、今の俺たちには「時間」が残っているのだから。