ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ついでに......

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暗く冷たい雨の夜が明け、朝目が覚めて外に日の光を感じると、...段ボールハウスで寒い夜を過ごした「あっちの俺」も、なんとか眠れたらよかったんだけど。


そんな気持ちになったところで、俺の今までの人生に「よくぞ嫁に来てくれた」って事を奥さんに感謝しておく。
もう40数年前の写真だから、(今の姿とは似ても似つかぬ姿故)一応出してみる。
出会った頃はもっと太っていて、弱視に近い強度の近視のためにまるで「牛乳瓶の底」の様なメガネをいつもかけていて、俺以外の男どもには「メガネのブス」と思われていた...でも、俺には最初に会った時から「好みのタイプ」ではあった。
俺は普通に「メガネを外せば俺好みの美人だ」と分かっていたが、他の男は皆彼女を「ヤブ」とかあだ名を付けて彼女の友人の可愛い女性の引き立て役にしかみることが無かったようで、なんと彼女を思う男は一人もいなかった。

なぜか、(自分でも全く思いもかけず)若い年齢で彼女と結婚することになってしまったのは24歳の時。
その少し前に彼女は、度が進んで厚くなりすぎたメガネを止むを得ずコンタクトに変えた(もう、ガラスでそんな厚いレンズは作れないと言われたそうだ)。
途端に、他の男から「美人」と言われる様になって本気で面食らった様だった...「なんでブスの私に美人なんて言うのよ!」「私を綺麗なんていうのは馬鹿にしているわ!」とムキになって怒っていたっけ。
(小さい時からの小太りド近眼メガネで、可愛いとか綺麗と言われた事は無いとかで、今でも本心から自分はブスだと思っている)

俺はなぜか結婚してから急にモテ出した。
その訳が分からずに不思議だった(それまで女性にモテるなんてことのは全く縁のない人生だったと思う)が、その原因はうちの奥さんにあると、そういう女性の一人から面と向かって言われたことがある。
曰く「奥さんに会うと、『あれ?私はあの男の魅力を何か見過ごしていたんじゃないか?』と思ってしまうのよ」「あなたの魅力でモテてるわけじゃないわよ」と、はっきりと(笑)。

ま、他人はともかく自分の好みのタイプであり、明るく心根が優しい女であることはうちの両親に対する態度でよく分かった。
特に気の強かった俺の母親は「私があの娘を守る!」とまで気に入ってしまって、完全に彼女の味方になってしまったし。
真面目だったが不器用でドジで、どう見てもしっかりはしていなかった俺の奥さんには強い味方になったはずだ。

そうした俺の両親の最後を、俺の妹たちが呆れるほどしっかりと世話をしてくれたことにも感謝だし、俺の不規則な収入の明日をも知れぬ生活を笑って過ごしてくれた事にも感謝している。

喧嘩もするし怒る事もあるけれど、毎日暖かい布団に入れるか、冷たい段ボールハウスで寝る人生になったかは、彼女に会うか会わないかが運命の別れ道だった...と本気でシミジミそう思う。

もちろんこれまでの長い人生に、もっと話の合う、美しい魅力的な女性に会った事はあるけれど、一緒に暮らすとなると似た者同士では多分すぐに喧嘩別れするだろう。
そう考えると、彼女は俺のような駄目男と一緒に暮らして行ける唯一無二の存在...「俺はなんて運がいい」、と思うしかない。


その事で俺は幸運を使い果たしてしまったから、ゴルフでもギャンブルでも「ラッキー」なんぞがある訳無い。
「当たり」なんぞある訳無いし、風はいつも向かい風、木に当たればボールはOBに消えるし、俺はいつだって不運連なる道無き道を、泥まみれになってボールを運ぶ事になる。
当然グリーンに乗ったボールも、カップになんか入る訳が無い(笑)。