小学校のときの音楽の授業で順番に歌を歌わされた時に、俺の前の生徒でため息をついた先生が、俺の時に思わず吹き出したのがトラウマになってしまった。
以来、３０過ぎ迄他人の前で歌を歌った事は無かった。
音楽を聞くのは好きで鼻歌を歌う事はあっても、それを聞いた他人に笑われるのが嫌で普通に歌う事は無かった。
それが３０過ぎたある日、近所のピアノの先生をやっている女性が、俺が歩きながら無意識に吹いていた口笛を聞いて「あなたの口笛の音程あっているわよ」と言ってくれたのを聞いて「へえ、俺って音痴じゃなかったのか？」と思ったのが一つのターニングポイントだった。
その後一緒にカラオケに行った女性にも「歌い慣れていないけど、音痴じゃないわよ」なんて言われて、「ああ、俺、歌ってもいいんだ」なんて思ったのが自分のトラウマから抜け出られた決定打だった。
それから数十年、今でも他人の前で歌うのは苦手で、実際に他人とカラオケなんてのは年に１～２回だけ。
しかし、最近になって自分のグループのカラオケ大会の練習がしたいと言う奥さんに付き合って、新しく出来た近所のカラオケに行く様になった。
カラオケも最近地元では老人割引やらなにやらで、３時間で千円くらいだし、食べ物飲み物持ち込み無料なので、缶ビール片手にストレス解消にはもってこい。
そのカラオケも、点数が出る様なのは余計にストレスが溜まるから（良い点が出る分けないので）、そういうのが出ないもので。
それとなるべく古い歌が多い種類のを選んで、自分が気持ち良くなる為だけに歌う。
他人を気にしなければ、カラオケルームで大きな声を出すのは実に気持ちがいい。
お一人様カラオケが最近流行っていると言うのもよく判る。
勿論、我ながら歌は、ヘタ。
音域も狭く、ただ大声を出すだけだから、歌に味も何もありゃしない。
コブシを回すなんて「え、なんの事？」状態だから、演歌なんかもとても無理。
当然今の歌も全く理解不備だし、歌詞を読んでもこっ恥ずかしくなる様な幼稚な歌詞が多いので歌いたくもない。
結局、あの昔の「四畳半フォーク」時代のくらいがやっとなんだけど、最近「声を出すのが気持ちいい」の一点で、童謡や唱歌なんかがお気に入り。
まあ、他人が見れば「いい年した男が何歌ってんだろ」なんて所だけれど、その人に聞かせたい訳じゃ無し。
聞く人がいなければ、歌うっては楽しいなあと思う今日この頃。
ヒッコリークラブじゃ練習行けないから、カラオケが練習代わりって訳なのかもね。
