ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

現在作られているヒッコリークラブを借りて来た

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某所から、現在製作され売られているヒッコリーシャフトのクラブを借りて来た。


作っているのは現代風のクラブもつくっているT社で、現在のゴルフに合うように作られて売られているモデルだが、アイアンに番手の番号は無く、ソールに「ミッドアイアン」「マッシー」「ニブリック」等昔からの伝統的な名称が彫ってある。

このクラブを手持ちの古いヒッコリーシャフトクラブと比べて気がつくのは、まずそのヒッコリーシャフトの「太さ」。
実際の太さは写真の様な違いだが、色が古いヒッコリークラブの色よりずっと明るいので、グリップして構えると倍くらい太いように感じる。
また重さもかなり重く、実際に家庭用の秤で簡単に量ってみると、ドライバーが400グラムもある!
かってのスチールシャフトのパーシモンで360グラムくらい、現代のクラブでは300~320グラムくらいが普通なのに比べるとその重さの程度が判るだろう。
長さは42.5インチと、スチールシャフト時代のパーシモンや昔のヒッコリーシャフトとほぼ同じ。

構えるとなんともずんぐりむっくりで、昔のヒッコリークラブのシャープさは無く、その重さと小さく見えるヘッドで「ちゃんと当たるのか?」なんて不安さえ湧いて来る。
この太さや重さは、多分現代の最新2ピース・3ピースボールの重さや硬さ・衝撃に耐えるクラブを作る為に必要なものだったんだろう。

アイアンも同じ。
シャフトは昔のものよりかなり太く、正直強く違和感を感じる。
重さもかなり重く感じるので、これも昔のヒッコリーアイアンや現代のスチールシャフト、軽量スチールシャフト、カーボンシャフトとの重量を量って比べてみた。
まず、今のロングアイアンに該当する「ミッドアイアン」...今のアイアンでは3番アイアンで比べてみる。
まず現代のヒッコリークラブは、420グラム。
昔のヒッコリークラブでは400グラム。
スチールシャフトの黒トップが400グラム、軽量スチールシャフトもミズノのが380グラム、カーボンファットシャフトの3番が360グラム。

次に「マッシー」、これは7番アイアンで比べてみた。
現代ヒッコリー440グラム、昔のヒッコリー420グラム...スチール440グラム、軽量スチール400グラム、カーボン380グラム。

「ニブリック」、これはピッチングウェッジで比べてみた。
現代ヒッコリー460グラム、昔のヒッコリー430グラム...スチール460グラム、軽量スチール430グラム、カーボン400グラム。

現代ヒッコリークラブの意外な重さが判るだろう?
ほぼ自分の持っている昔のダイナミックシャフトの黒トップと同じ重さだ。
ただシャフトの質の違いや重さの為か、ヘッドが効いてない様な気がする(これは実際に打ってみないと判らないけど)。

そしてアイアンについてはもっと大きな違いは、昔のヒッコリーアイアンとのヘッドの形状の違いだ。
写真の様に昔のヒッコリーシャフトアイアンのヘッドは、ミッドアイアンからニブリックに至る迄「ただの1枚の鉄板!」と言う感じ(笑)。
そこにはバンスも無く、「抜け」がどうと言う仕掛けも無く、重心深度なんて知った事か、なんて言うシンプルで潔いヘッドがついているだけ。
しかし、現代ヒッコリーのアイアンヘッドは、いずれもソールの幅が厚くなり、そのソールにはラウンドがつき、特にニブリックのソールはジーン・サラゼン由来の(バンカーショット用の?)バンスがついている。
この辺のソール形状の変化で「打つ」事がどうなったかは、近い内にラウンドで打ち比べてみるつもり。
アイアンヘッドの素材は多分鉄にメッキをしたもので、ステンレスではないと思うので...糸巻きボールを打った「打感」は決して悪くないと思う。


昔のヒッコリーアイアンは結構数を集めて打ってみたが、ステンレスヘッドのものは鉄製のヘッドのものに比べて酷く「打感」が悪い。
発売当時はステンレスヘッドの方が値段が高かったそうだが、ヒッコリーシャフトアイアンで気持ち良さを考えるなら絶対に鉄製のヘッドにするべきと思う...これは個人的な好き嫌いなので反対の意見の方もいるとは思うが、これからヒッコリーシャフトのクラブを買おうと言う人に対する俺の個人的な意見として書いておく。


さて、来週は晴れるかな...