ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

糸巻きボールの寿命

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固体や液体の「芯」に糸ゴムを巻き付けて作る「糸巻きボール」は、ゴルフの歴史上にしか存在しない過去のボールだ。
ブリジストンでは1982年に製造を終わり、ダンロップは2002年に「スリクソンHBツアー」を発売したのが最後...私はスリクソンHBツアーは使った事も持った事も無いので関係ないから、ロイヤルマクスフライが発売された1986年が、糸巻きボール時代の最後と言えるだろう。
その1986年でさえ、今から30年前。

そして今ヒッコリーシャフト用に使っている「糸巻きスモールボール」は、1990年に規格が統一される迄使われていた「イングリッシュサイズ」のボールの事。
つまり、このスモールサイズ糸巻きボールはどんなに新しいものでも26年以上前のもの、と言う事だ。
まあ、1990年当時のスモールボールは既にほとんどがツーピースボールに変わっていたので、今残っているスモールサイズ糸巻きボールは大体30年以上前のものと言っていいと思う。

そこで、このスモールサイズ糸巻きボールが今のゴルフで使えるか、と言う問題。
まずルール上では既にラージサイズ(アメリカンサイズ)に統一されているので、公式の競技で使うのはルール違反。
コンペ等でも主催者の許可がいるだろう。

そして性能と強度...これは大問題。
まず性能...これは普通に家にある輪ゴムなんかを考えてみれば判るだろう。
ほぼ一年で弾力が無くなり、簡単に千切れてしまう....このゴルフボールに巻いてある糸ゴムだって、当時一般的には「新品の性能があるのは1年」と考えられていて、3年も経ったものは酷く性能が落ちるようになると言われていた。
何かの話で、あのジャイアント馬場がゴルフに熱中した時、(金はあるので)数十ダースの高級糸巻きボールを車のトランクに積んでゴルフをしていたが、一年でそのボールは全て飛ばなくなり使えなくなった、なんて事を聞いた事がある(夏あの暑さの中トランクに積みっ放しが原因だとも)。
競技をしている人達は毎年新しいボールを買い、一年経ったボールは安売りされていたし。

そんな訳で、作られてから数十年経った糸巻きスモールボールが、作られた当時の性能を発揮出来る事なんて100%無いのは判っているんだが...
ヒッコリーシャフトのハーフショットではそんなに不自由はしないだろうと思っていた。
実際、マクスフライDDHやADレクスターなんかは、ラウンド中に特に変化を感じる事も無く「まあこんなもんだろう」なんて感じでゴルフを楽しめた。
変わったのはダンロップ65やエリート等もっと古いボール...飛距離はハーフショットなのでそれほど判らなかったが、アプローチやパットで「こうなるのか!」なんて違いに気がついた。
元々芯を感じ難い打感だったのが、どんどん鈍く「ボコン」なんて変な感じになって行く...マクスフライDDHやADレクスターなんかはちゃんと「芯」を感じる打感が変わらないのに、これらはまるでただのゴムボール...極端に言うならマジックボールの様に締まりのない弾み方をするようになって行く。
グリーンに落ちたボールはそのまま弾んでグリーンを通り過ぎる。
またパットも、当たると「ボヨ~ン」という感触を残して、距離感が全く判らなくなる。
また、バラタカバーリキッドセンター(ロイヤルやタイトではない)の古いボールは、当て損ねる(ハーフトップ等)とすぐに変形してヒビが入るので危険なので使うのをやめた。

と言う訳で、集めたスモール糸巻きボールの中で、ダンロップ65やそれ以前の時代のボールは、たとえハーフショットでも本当に賞味期限切れ...使って楽しい事は無い可能性が高いと判った。
マクスフライDDHやADレクスターの時代のモノなら、ハーフショットでのヒッコリーゴルフには十分に使える。
幸いその辺のボールは沢山集めたので、自分のゴルフの楽しみは大丈夫。
それ以前のは欲しい人にプレゼントでもするつもり。



(「ゴムの使用期限」を調べると、何とコンドームの使用期限が製造から5年ですと。
あの製造もチェックもあらゆるゴム製品で一番厳しいであろうコンドーさんがたった5年なんだから、ゴルフボールの糸巻きゴムの寿命なんてのは....。)