ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

長崎の熱い夜

イメージ 1

今回の旅は「古き友との新しい出会い」と、「古き友との、最後の別れ」になるかもしれない旅だと書いた。
もし、今回の旅の「別れ」の方が最悪のものになったとしたら、それを先に書くしかないと思っていた。

が、それが意外な事になったので、この旅での出会いの話から書く事が出来る。
それは、自分はまさに「お天道様に感謝する」しかない。

旅の最初は長崎に...以前の鹿児島の友人に会う旅でも立ち寄りはしたんだけれど、なにしろ格安航空券でのギリギリの旅...とてもゆっくり「飲む」時間なんて取れなかった。
此処にはとある美しい女性の縁で、ブログでの付き合いから始まった古い友人のまつを氏
http://www17.plala.or.jp/matsuwo/
が居る。
まつを氏は長崎の遊び心のある文化人達の中心に居る人物で、その友人達には非常に個性的で魅力的な方々が名を連ねる。
そのまつを氏とは東京では何度か飲んでいたが、氏のホームの長崎で飲むのは初めて...彼のブログで彼等の隠れ家的飲み屋の名前も場所も知ってはいたけど、実際に足を踏み入れるのは少し緊張する。

7時に彼等の隠れ家「一品料理いなほ」に集まって頂いたのは、まつを氏と氏の盟友「田屋敷酒散人」氏...彼は元東宝のプロデューサーで多くの著名芸能人達をプロデュースし、私生活でも数々の(本人曰く)「極道生活」を送って来た破天荒かつ博覧強記の人物。
その散人氏の弟分であり、ボディーガードであり、元ボクサーの身体と迫力を持ちながら細かな気遣いを見せてくれる、気は優しくて力持ちのケンジ氏。
そして著名病院での(管理職の)医師でありながら、日本の海を北から南迄周遊するシーカヤッカーであり、且つプロ並みの腕を誇る野外料理人の「しんのじ」氏。
最初のまつを氏のお話ではこれに私が加わった5人のはずが、店についてみると何とそれに妙齢の(と言うよりまさに「若い」)女性が一人。
最近県展で大きな賞を取った造形作家の安藤真由さん....機知に富んだ美しい女性でした。

私の話なんか参考にはならないと思うけど、一応この年まで絵で食って来た「経験者」としての話を聞きたかったとか...オレの場合は運が良かっただけとしか思えないから、参考になったかどうかなあ...

散人さんとは年も近く(私が一つ下)、同じ時代を極近くで過ごしていた時期があって話は盛り上がる。
ただし、散人さんが劇場の支配人だった時に、私はその劇場の看板をつけたり外すバイトをしていたとか...散人さんが有名なクラブやバーで俳優や歌手と飲んでいた時、そのビルのすぐ近くのガード下の焼き鳥屋で、私は安い焼き鳥とアルコールが飛んだような安い二級酒を飲んでいた...と言うような「接近遭遇」の話だったけど(笑)。

そんな飲み会は、ことのほか芋焼酎が美味しくて酒が進む進む(笑)。
笑いっ放しの「アホ話」に、ちゃんと聞きたい「面白話」が満載で、且つ非常に考えさせられる「ホントの話」に、「ええ~っ!?」と驚くような「ウラ話」がちりばめられて。
なんでこういう楽しい酒の時間と言うのは普段の何倍ものスピードで時間が過ぎて行くんだろう。

痛風で厳しい状態なのを押して来てくれた散人さんは、舎弟分のケンジさんに付き添われて10時半頃に先に退出...それを機に、残った方々は「まだ時間が早いからもう一軒」。
此処でまつを氏としんのじ氏の案内で、長崎の「魔境(笑)」探索。
...長崎と言う街は、東京に比べれば遥かにスケールは小さいが、それが「人間の間に合う」感覚であり、そこに意外な「奥」とか「深み」と言う場所もあって実に魅力的だ。
例えると、「遊ぶ舟と立ち寄る港のバランスが実に上手く取れている街」のように思う。
此処で生活の術があるのなら、住んだら居心地が良いだろうと思わせる「時の流れ感」や「空間」を感じて、此処に住む人々が羨ましい。

もう一軒、ワインで乾杯し彼等お勧めの摘みで一杯...旨かった。
なにより、その間の会話が素晴らしい摘みとなって、聞いていて飽きさせない。

有り難い事、ありがたいことだ。
オレのようなものに、こんな時間を作ってもらうなんて身にあまる幸せ。
実際に付き合いも長くなった「まつを」さん、ブログで知ってはいても実際にお会いするのは初めてだった、古くて新しい新しい友人の「散人」さん、知り合えた事を感謝する「ケンジ」さん、「山と渓谷」の編集者だった友人に似ていて初めてお会いしたような気がしなかった「しんのじ」さん、そして造形作家の安藤真由さん...楽しい時間をどうもありがとうございました。

また近い将来、長崎に足を踏み入れる事がいい目標になりました。
「また、一杯!」、よろしくお願いします。