ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

梅の木

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仕事が忙しい時には、下手すりゃ一日中机の前(と言うよりパソコンの前か)に座りっ放しになる。
そんな生活じゃあ、いざ旅やゴルフに行こうなんて時に身体が鈍って上手く動けない...どころか、気持ちだけは若いときのまんまだから、普通に動かしたつもりの身体がバキバキと壊れて行くのは目に見えている。

なので、出来る限り一日に5千歩以上の散歩に出るようにしている。
小さなバッグを肩に掛け、スケッチブックと絵描き道具と双眼鏡を持ってなるべく違うコースの散歩に出る。
近場が行き慣れて飽きてくれば、車で少し離れた場所に行き、そこから歩き出す。
夏の暑さは堪らないが、それ以外の季節は結構面白い。
ただし、今の季節は絵を描こうとすると指が冷たくて、手の感覚が鈍くなって思うように動かなくなるのが困る。

そんな先日の散歩中の絵。

梅の木が数十本植えてある所に、5~6人の植木職人らしき人達が電動ノコギリで枝を落としている。
見ていると、「そんなに切っていいのか?」というくらい遠慮もためらいも無く太い枝を切って行く。
枯れ枝なりに奇麗に広がっていたシルエットが、見事にぶった切られて寸詰まりの美しくはないシルエットに変わって行く。
彼等もプロだからそれで木を枯らすような事は無いんだろうけど、あまりに簡単に沢山の枝を落とすので、見ているこちらは痛みさえ感じてしまう。

「春になれば、こうした方がきっと花は沢山咲くんだろうし、沢山の実もなるんだろう...だから...」

...と、絵にはあんな事を描いたけど、梅はあんまりそんな事望んじゃいないよなあ。
太い枝迄バッサリと切られたりなんかせずに、伸び伸びと枝を張ってもっと背の高い木になりたい...きっとそう思ってる。
でもそれじゃあ、人様にとってこの狭い梅林で梅の実を収穫するのが面倒になり、やがて収穫量も減ってしまう...つまり人様の都合だけで痛い目にあわせている訳だ。


「春が来るから...」ねえ...我ながら、甘い言葉を書くと「おいおい、教訓めいた事はみっともないから描くんじゃない」と、恥ずかしさがこみ上がる(笑)。
その場で描いているから、つい勢いでこんな言葉を書いてしまうんだが...

まあ、散歩の途中の戯言だ...そんな日もあるって事で(笑)。