ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ミスしたら、そこからベストを尽くせ!

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「もしミスしたら、そこからベストを尽くせ!」...ジム・フリック。
...ジム・フリックは、ニクラスを始めとする世界の超一流ゴルファーにレッスンをしていた、アメリカを代表するレッスンプロ。

簡単な言葉だけど、深い。
彼の言葉はトップアマやプロレベルの人に対する有効なアドバイスとなるものが多いんだけれど、我々仕事を「キチンと」している「上手くない」本物のアマチュアゴルファーにとって役に立つアドバイスも多い。

このシンプルな言葉は、ミスした後の我々の心理に厳しく忠告を与えている。
上級者と違って、本当にミスだらけ....納得のショットより遥かにミスショットの方が多い我々にとっても、例えば「ここだけには打ちたくない」とか、「毎回同じ場所に行くので今回だけは避けたい」とか、「最高の当たりで絶好のライからだから、大チャンス!」なんて思った時に出る大ミスショットは、いくら打たれ強い心であっても絶望の奈落に突き落とされる。
繊細な(と自分で思っている)ハートには縦横にヒビが入り、朝方には感じていた希望の光は暗雲に閉ざされ、せっかくの仕事の合間に練習で積み上げて来た自信は跡形も無く消え去り...

「もう、いいや!」
「どうせ、俺はこんなものさ」
「俺なんか練習したって何にも役に立たないや」
.....

ワンペナや、ツーペナや、アンプレヤブルや、前進ティー、特設ティーなどでのその後の一打は、集中力も無く気合いも入らず、せっかく以前の失敗で学習した記憶も消え去り...
...その代わりに、自己嫌悪や自己憐憫やらで頭が一杯になり、捨て鉢で投げやりで堕ちて行く快感までが重なり、まるでミスを喜ぶ様なショットをしてしまう。
やっぱりまたミスショットとなった時、「ああ、いつもの様に俺はダメなゴルファーだ」と納得して拗ねてしまう。

せっかくの大事な一日がそんな風に流れて行き、何もその前と進歩していないダメなゴルファーのダメなスコアが残る。
すっかり面白くない顔をして家に戻り、奥さんに「そんなに面白くないんだったら、ゴルフなんてやめれば?」なんて言われてしまう。
「ああ、俺なんかゴルフの才能無いんだ。これでやめちまおうかな」

一週間もすると、口惜しさと自分への怒りと、こんなはずじゃあ無い、このまま終わっていいはずが無い...俺だって、以前あんないいショットを打てたときがある...あれは本当に気持ち良かった。
この前は運が悪かっただけだ、俺が本気になれば....
クラブを触り出し、スイング理論を確かめ、クラブが合ってないんじゃないかと小遣いの残りを計算し、練習場に行ってみようか、と思う。
...それをずうっと繰り返して来たんじゃないか?

ミスはしょうがない...下手なんだから。
そこで「こんなはずじゃない」って頭に血をのぼらせずに、ジム・フリックの言う様に「次の一打にベストを尽くそう」と思う。
ミスした自分を認め、ミスは取り返せない事を確認し、「今出来る最善の事は、次の一打にベストを尽くす」事を考える。

以前書いたベーブ・ルースの言葉「ゴルフに逆転ホームランは無い。自滅があるだけだ。」を思い浮かべよう。
「その通り!」だと。
ミスした事は取り返せない。
出来る事は「次の一打」をどうするかだけ。
そこにベストを尽くす...ただし逆転ホームランを狙うという発想ではなく、自分の出来るベストショットを考える事。
多分そこでどういうショットを打つかが、そのゴルファーの真の実力であり、真の品格だろう。

(ミスの後に自暴自棄になる事は、自分のゴルフの品格を最低のものに貶めているという事だ。)

諸君、気をつけよう...私も、もちろん猛反省して気をつけようっと。