ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2013年全米オープン最終日

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春の祭典が「花のマスターズ」なら、真夏の祭典がこの(思い切りどMな)メジャー「全米オープン」なんて気がする。
7月の全英オープンは、日本では「これから真夏」なんて季節なんだけど、あの荒涼としたリンクスの風景を見ていると「夏の終わり」「ゴルフシーズンの終盤」なんて気がするから不思議だ。

そんな夏真っ盛りを思わせる今年の全米オープン...メジャーと言えばただ距離が長いコースのイメージが強かったんだけど...このメリオンでの全米オープンを見ていると、飛距離よりも正確さやボールを操る技術を競うわせるセッティングで面白かった。
パー5と言えば600ヤードだって2オンするのが当たり前、パー4は全て450ヤード以上、パー3は乗るのが当たり前、なんて大雑把なゴルフをコースが許さない。
300ヤードを切るようなパー4があったり、100ヤードを切るようなパー3があったり、かと言えば500ヤードを超えるパー4があったり...それに強烈なラフとフェアウェイの傾斜に、速くて複雑なグリーンが待ち受ける。(ただし、短いから易しいなんて訳ではなく、100ヤードを切るパー3で優勝争いをしている連中がボギーやダボを打つ。)
結局1オーバーが優勝スコアとなり、相変わらずの全米オープンらしい結果となった。

優勝したJ・ローズは今年は注目していなかった...最近調子が良いのは聞いていたが、特にこういう難コースに強いものをもっているとは思わなかったので、まさか優勝するとは思わなかった。
こんな難コースに強そうだと感じたのはL・ドナルド。
ショットの正確性やパットの上手さから、パープレーから2アンダーくらいで回って必ず優勝に絡むと思っていた。
彼が崩れたのは3番のパー3....ティーショットが女性を直撃して女性が倒れてしまった。
幸い大事はなかったようだが、(精神的に動揺したのか)そのあとの彼のゴルフは全く精彩を欠き、崩れる一方の展開となってしまった。
期待していたS・ストリッカーは、2番で死んでしまった。
ショットの正確さを誇るストリッカーが、ティーショット右にOB、4打目がシャンクして再びOB、結局8を叩き脱落。
「優勝を狙う」と宣言していた気合いが、彼をして余計な力を入れさせてしまったのか...

しかし、大穴としていたJ・デイは最終ホールまで粘った。
ショットも、パットも、どれも「あと一つ」足らずに2位タイで終わってしまったが。
でも、優勝したJ.ローズに比べて何一つ劣るものは無く(経験だけは劣るか)、近い将来メジャーを獲る事は間違いないだろう。

優勝する確率8割はあると思っていたミケルソン
先にやって来たバーディーチャンスを、いずれもカップに蹴られて外してから、流れはアンラッキーの方に傾いてダボ二つで死んだ。
そのあとは、セカンドを入れたイーグル一つがあっただけで、はじめにチャンスを逃したパットは一日入る事はなかった。
先にあった2度のバーディーパットのうち一つでも入っていたら、今日の優勝はミケルソンだったと思う...こうした試合でポイントとなるゴルフの流れを掴み損ねたという事か。

松山は早いスタートで良かった。
風も弱く、プレッシャーも少ない中で攻めた結果は見事。
松山が18番ホールを終わった時点では37~8位だったのが、遅い組が強い風や強い雨で苦しんでスコアを落として行った為に、終わってみれば10位タイ...来年の出場権も手に入れる事が出来た。
来年は、優勝争いの中でこの最終日のようなゴルフが出来れば、世界に期して戦える実力者として認められる事だろう。
その為には、日本での試合結果慢心しない様にして欲しい。
世界のツアーで比べると、今や日本ツアーはアジアンツアーより下と言われているんだから。

最後まで誰が優勝するか判らなかった今年の全米オープン、それなりに面白かった。

さあ、あとは7月の全英オープンだ。
ここでは、歴史に残るような試合が見たいなあ。