ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

自分のゴルフは...

イメージ 1

仕事で描かなければいけない事になって、やむを得ず始めたゴルフだった。
そのゴルフ歴が、もう30年になろうとしている。

遅く始めたゴルフだったから、もう同じ年のプロゴルファーが時代を背負っていた。
トム・ワトソン、新帝王と呼ばれていた。
そのあとの時代を継ごうとしたバレステロスはすでに亡く、まったく新しい時代の始まりを持ち込んだタイガー・ウッズでさえ、もうその時代を終えようとしている。

自分も始めてすぐに熱中して、すぐにシングルハンデになり、ラウンド度にベストスコアを更新し、パープレーやアンダーパーで回れるようになった時には、ゴルフの世界をどこまでも行けるような気がしていた。
映像でしか見た事の無い、オーガスタナショナルだってセントアンドリュースだって、必ず回れると...いや、夢から言えばマスターズだってザ・オープンだって参加する機会があるなんて思っていた。
本当はあり得ない事だって判っていても、なんだかそういう風に思っていた。

でも、ゴルフを始めたのが遅かった事もあって、夢中になって仕事や遊びのゴルフをしているうちに、肘を痛め、腰を痛め、膝を痛め...治っては復活し、また痛めては治療しを繰り返すうちに、あったはず(と思っていた)の自分のゴルフ能力は消えて行った。
仕事で毎日ゴルフの絵を描いているのに、始めた頃に見た夢はみんな薄れて行くばかり。
ああ、もうそういう事は絶対にあり得ないんだよなあ...そんな事を認めなくてはいけない事ばかり。

既に上達の伸び代は無く、ボールに対する感性の閃きも消え、悪条件を打ち破るパワーも衰えた。
...古からの先達は、その晩年のゴルフをどう楽しんだんだろう?

練習に行く情熱は薄く、スコアに対する執着はなくなり、ただまだ知らぬコースの旅を楽しみたいという思いだけがある。
クラシックな工芸品のようなアイアンで、自分の思い描く道筋にボールを操る。
一期一会のライに出会い、一期一会のボールヒットで、一期一会の球筋を楽しむ。

上手くいっても、いかなくても...セ・ラビ...まあ、それが人生さ。
期待も不安も楽しもう...ケ・セラ・セラ...なるようにしかならないさ。
長い事ゴルフを続けていて、今はそんなところに辿り着いている。