ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ショートゲームこそ,死ぬ気で目標を定めなさい

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「ショートゲームこそ、死ぬ気で目標を定めなさい」...ハーヴィー・ペニック。

ハーヴィー・ペニックはツアープロであったが、引退後にレッスンプロとして名声を博した人物。
トム・カイト、ベン・クレンショー、デービス・ラブ3世を育て上げたことで知られる。
ツアーの中でよく見られる、一時は蜜月時代があっても成績が振るわないとすぐに喧嘩別れするようなプロとレッスンプロの関係とは違い、終世これらの教え子たちに尊敬された存在だった。

ハーヴィー・ペニックという人は,かなりヒネリとユーモアが効いた人だったらしく、「うん?」と思わせる面白い言葉をいろいろと残している。

しかし、この「死ぬ気で狙え」というのは、いざという時に助言を求めた弟子たちに好んで使った言葉のようだ。

「Take dead aim」
という言葉。
それは、ティーショットであろうと、セカンドショットであろうと、いずれにしてもゴルフにおけるプレーヤーに対する至上命題だ。
ともかく,ゴルフのプレーというものの基本は「狙ったところに打つ」のであって、「どれだけ飛ばしたか」ではないのだ。
...ただ,悲しいかなアベレージ以下の大多数のゴルファーにとっては、ゴルフの喜びと快感は「ボールがどれだけ飛んだか」にかかっている。
だいたい、フェアウェイの真ん中に飛んだとか、ピンに近いところに乗った、なんてのはただの「偶然」でしかないんだから無理も無いんだけど。

我々ヘボゴルファーは、ドライバーで死ぬ気で狙っても,多分9割はそんなところに飛びやしないだろう...むしろ死ぬ気になる度合いが強いほど、ボールはよりとんでもないところに飛んでいく事になる。
セカンドショットもそう...グリーンまで180ヤードだろうと140ヤードだろうと、死ぬ気でグリーンセンターやピンを狙ったとしても、気合いが入るほどボールはグリーンの面積の10分の1か20分の1しか無い、小さなバンカーや池やより難しい方向に飛んで行く。
こんな経験を繰り返すと、ゴルファーだって馬鹿じゃないから死ぬ気でグリーンなんか狙わなくなる、フェアウェイを懸命に狙ってドライバーなんか打たなくなる。
むしろ、「どこでもいいから飛んでけ~!」とか、「グリーンに近づきゃいいや」なんて気持ちで打つようになる...その方が結果は少しは良くなるし、ミスしても傷つく度合いが少ないし。

が、しかし!
アプローチ・・・・ショートゲームは違う。
だって、すぐそこにグリーンがあるんだから、まずよっぽどの事が無い限りグリーンには乗せられる(ただ、この「よっぽどの事」が結構たびたび起きてしまうのがヘボゴルファーの悲しさなんだけど)。
最低パターでだって打てるような状況でアプローチする時だけは、せめてこのハーヴィー・ペニックの言葉に従ってみよう。
死ぬ気で、グリーンの「乗せたい地点」を狙うのだ。
そこに落とせたら、結果寄らなくても悔いは無い...なんて場所を決めて、狙え!

クラブはウェッジでもパターでも、7番でもFwでも好きなクラブでいい。
せめてこの時だけは真剣に、命がけで。


...で、大ダフリや、完璧トップ、なんつったら...泣いてもいいだろう。
まあ、それも、次のホールまでの立ち木にでも頭打ちつけて、次のホールのティーグランドまでに忘れる事。


(ペニックさんは、下手なゴルファーも上手くなる時は一気に上手くなる、とも言ってるから、「いつか来るはずのその時」を信じる事だ)