ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ヒッコリーシャフトアイアンの大衝撃!!

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参ったなあ...
自分のこれまでのクラブに対する常識とか、あらゆる知識がひっくり返されてしまった。

1本のヒッコリーシャフトアイアン。
この前、YASOさんのカレーショップの忘年会で見かけて、同じメーカーのヒッコリーシャフトパターとともにお借りして来たもの。
「実際に打てますよ、普通のボールで打っても大丈夫です。」とのYASOさんの言葉に興味を覚えて、実際に打つつもりになった。

火曜日に練習場に行って4~5発打ったが、ちょっと不思議な感覚に驚いていた。
それをキャディーバッグに入れて、この季節には珍しく暖かく晴れるという天気予報に、昨日多古カントリーのオープンコンペに参加して来た。
本当は11月末の自分の誕生日と結婚記念をかねて、奥さん孝行のつもりでの参加だった。
当然漫画にするつもりで、ちゃんとパーティーがあり、コースがうちの奥さんの好みの雰囲気で、という条件にはあっていたから。
(多古カントリーは自分とは酷く相性が悪いんだけど)

2ホール程、トッ散らかるドライバーとクリーブランドのアイアンで調整したあと、3ホール目の342ヤードのミドルで、ヒッコリータイム。
このソールに「2」と刻印してあるアイアンは、練習場では150~160くらいの飛距離に見えた。
弾道が今のアイアンの軌道とは全然違う、シンプルな放物線軌道なので、実際の飛んだ距離が判りづらい。
グリップは、手袋をしたままだと滑りやすく感じるので、両手とも素手
何となく重く、いかにも小さな薄っぺらの鉄板一枚と見えるヘッドは、とてもちゃんと当たるようには感じない。
二ホール使った自分のアイアンでさえ、押し出したり引っかけたりしてちゃんと当たってなかったのに。

ティーショット。
構えて、さあどう上げようか...なんて思う間もなく、スッとテークバック動作に入ったら、なんと収まるところに収まるように自然にトップに行く。
クラブを握っている当人が「あれ?」と驚くくらいに、自然なトップに収まったと思うと、ダウンもまた自然にクラブが下りて来て、腕の力をどうしようとか考える間もなく、インパクトしてフィニッシュに収まった。
「コヨ~ン」とか言うような変な音と、柔らかい手応えを残して、ボールは「ボヨ~ン」と真っすぐ飛んで行く。
「え? 何だ今のスイング..」
ちゃんと当たって、ちゃんと飛んだ事が信じられない。
ボールのところに行ってみると、残り160ヤード...つまり180ヤード飛んだ?

そこから、残り160ヤード少し短く持ってフックのイメージ...グリーンの左1メートル。
今度は短く持ってアプローチ...1メートル....頭の中は???で一杯。

それでは、と思って自分のアイアンを使うと、まるで鉄棒とトンカチで打つように感じる。
どうしても変な力を入れるしか無く、それがつまらないミスになる。

面白くなった。
オープンコンペの成績なんてどうでも良くなった。
一応コンペなので、同じ場所から2球打ったりは出来ないが、ヒッコリーを使ったあと自分のアイアンを使ったり、またティーショットからワンクラブでヒッコリーを使い続けたり...

特に最終ホール312ヤードのホールでまたヒッコリーのワンクラブにした。
ティーショットは慣れて来たので、一番スムーズに力も入らずに滑らかに振れた...当たった感触も一番良く、高い「コ~~ン」というきれいな音。
これが残り100ヤード。
...つまり210ヤード真っすぐに飛んだ?
自分のアイアンだと3番...だけどこんなに楽にスイングで打てないし、ちゃんと当たりやしない(むしろミスを覚悟して使うことになる)。
そこから100ヤードだが、間に松の木があり真っすぐは打てない。
上げるには、このヒッコリーアイアンのロフトは立ち過ぎていて無理。
パンチショットで左から曲げに行くと、思ったよりもヒッコリーがしなって、実に奇麗な曲線を描いて...木と正面衝突。
残り50ヤードをパンチで転がし...ラフに食われてショート...アプローチ、転がり過ぎ(笑)。

まあ、こんな調子でスコアには全然ならないが...生まれて初めて使ったヒッコリーシャフトのアイアン...本当に驚いた、感動した、呆れた。

このヒッコリーアイアンを使ったあと、自分のアイアンを使うと良くわかるのだ。
ヒッコリーのアイアンは「クラブがスイングさせてくれる。」
余計な事をしなくても、考えなくても、持って振り始めると勝手にクラブが「打ちやすい」「当たりやすい」ところに行く。
そしてあんなに薄っぺらで小さな鉄板のヘッドにちゃんと当たり、飛距離のミスも方向性のミスも驚く程少ない。
自分のアイアンをその後使うと、堅くて傲慢で、「力を入れて」「何処に上げるか」「どう振るか」を自分で決めないと何にもやってくれない。
そのくせ、ちょっとでも間違うととんでもないミスの結果を見せつける。

今のアイアンのヘッドデザインも、シャフトの堅さや重さも、グリップの質感や形も...一体なんなんだろう。
自分は、本当にそのことを考え直されている。
このヒッコリーアイアンに、一番近い現在のアイアンて何だ?
...ひょっとすると女性用シャフト?
それとも、クラシックなスチールシャフトアイアン?
少なくても、俺の今までに考えて来たアイアンの理屈は捨てるしか無い。

混乱する頭の中で、これから自分がどんなアイアンを使い、どんな打ち方考え方で振ればいいのか...
殆ど途方に暮れている。
出来るならヒッコリーシャフトのアイアンセットがあれば、それを使ってみたいが...
それは今の世の中でそう存在している訳もなく、不可能な話だろう。

じゃあ、何を使えば、このヒッコリーシャフトアイアンのように振れるんだろうか...
わからない...まだ、全くわからない。