ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ヒッコリーシャフトアイアンの大衝撃!!(続)

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実際にコースで使用出来る「ヒッコリーシャフトアイアン」を、これから手に入れる事が不可能に近い以上、それに近いイメージのものを探そうと思った。

しかし、誰でもが一番先に考えるレディースシャフト。
これはうちの奥さんのアイアンを振ってみたが、全く違う。
まず、重さが決定的に違う。
レディースシャフトアイアンは、家にあるもので一番長く重いのが4番で340グラム。

参考までに、クラシックアイアンの黒トップ(スチールシャフト)の2番が約410グラム、ヒッコリーシャフトの2は約430グラム。(家庭用秤にて)。
面白い事に、最近手に入れた「黒トッププロフェッショナル・オリジナル」の2番は420グラムある。
しかし、手に持った「重さの感じ」は、圧倒的にヒッコリーアイアンが重い。

グニャグニャシャフトも、シャフトはカーボンのためにヒッコリーより全然軽い。
そして何より、振った感じが全然別物なのだ。
レディースもグニャグニャも、普通にスイングしようとすると、すぐにシャフトがしなってヘッドが遅れて来るのが判る。
トップでシャフトが曲がり、切り返してダウンに入る時にはそのヘッドが遅れて来るのを待ちながら、と言う感じ。
インパクト辺りでも、手が先に行かないように、しなったシャフトが元に戻り、ヘッドが「間に合う」ように振らなければ、ろくに目的の方向になんか飛ばないだろう。

ヒッコリーアイアンは違う...全体にぼてっとした雰囲気のアイアンは、その右手と左手の間が太いようなグリップと、ヘッドの接合部分が太いためにやたらと小さく薄く見えるヘッドで、先に重りのついた太い棒切れを持ち上げるイメージ...すると、ヘッドの重さのためか、スイッとトップまで上がってしまう。
トップでも、確かにしなりは感じるが、決してグニャッという感じではなく、全体にまるで天秤棒のようにしなる感じ。
それから、特に待つと言う程の事も無く、腕力に頼らずに棒切れの先の重りを加速させて行く...ここまで書いて気がついた...これこそ「きこりの斧のように」であり「餅つきの杵のように」振るイメージ!
まさにどちらも、「金属製」の棒を力を込めて「振る」のではなく、「木製」の棒をその自身の重さに任せて「振るのに手を貸す」ように振る事なのだ。

ひょっとするとこの違いは、それぞれの既成概念との戦いなのかもしれない。
我々は金属製の得物を手にすると、それが壊れない事を前提に、己の腕力と気力で相手を打ち伏せようとする。
しかし、木製の得物であれば、常にやりすぎると壊れると言う意識が、ある意味謙虚に道具を使う意識となる...決して道具が壊れるような無謀な力を、過剰に出そうとはしない。

レディースシャフトやグニャグニャシャフトが、ヒッコリーの代替えにならない以上、そんな風に「謙虚にスイング出来る道具」を見つけるしか無いだろう。
そう考えると、次の要素は「重さ」だと思う。
軽いものはどうしても、己の腕力で使おうとしがち。
ならば、重いもの。
自分が無駄な力を入れようとしても入れられないくらい、重いもの。

間違っているかもしれないが、自分なりにそんな風に結論する。
「重いクラブをクラブに任せてゆっくり振る。」

...ドライバーもアイアンも、形状や年式にこだわらず、一般的な評価の難易度にもこだわらず、スイングの流行にもこだわらず、クラブのデザインの科学的ポイントなんかにも更にこだわらず、クラブが進化しているなんて全く信じずに。

なんたってあのヒッコリーアイアン、重心深度も、スイートスポットも、ソールのバウンスも、慣性モーメントもへったくれもなんにも関係ないんだから。
...フェースはただの鉄板だし。
...ヒッコリーのシャフトは、キックポイントもトルクも関係無いし。

面白いねえ。
ゴルフを長くやっていて、こんなカルチャーショックに出会えるなんて(笑)。
(この結論は私だけのもので、正論とは言いかねます。
むしろ大暴論だと思いますので、影響されませんように(笑)...ご注意を。)