「キャディーバッグに入っているクラブの中で、大事なのは1にドライバー、2にパター、3にウェッジ」...ベン・ホーガン。
ベン・ホーガンと言えば、クール、冷徹、完全主義者などの人物評価と、メジャー9勝、もちろんグランドスラム達成...なのに1953年にはマスターズ、全米オープン、全英オープンを勝ったのに全米プロには出場しない、という変わった行動が知られている。
その間、1949年には自動車の正面衝突事故を起こして重傷を負い、再起不能と医者に見放されながらも11ヶ月後に奇跡の復活を果たす、という「鉄人」ぶりも知られている。
そんな完全主義者のホーガンの言葉、我々アベレージ凡ゴルファーにも十分通用する。
彼のほかの名言が、ちょっと上(遥か上か?)から見下ろすような言葉で、なんだか突き放したような冷たいニュアンスがある中で、この言葉は本当の本音のように聞こえる。
プロレベルの話は我々には関係ないので、自分たちの場合を考えてみると...ゴルフというのは100を切る頃からは、この言葉の通りが真実だと思えてくる。
100を切れるようになると、スコアを一番崩す要因が殆どの場合ティーショットなのだから。
セカンドをなんとか打てる場所にティーショットを打てさえすれば、次はグリーンに乗らなくても近くにはいく。
そうすれば、ピンに寄せるのは難しくてもグリーンには乗せられるし、2回に一回は2パットでボギーにはなるだろう...
でも、ティーショットがOBや池、林の奥や谷の底、なんて事になったら、グリーンに乗る迄に何打費やすことになるか判りやしない。
100切り前後から、アベレージ、シングルハンデだって、大叩きのビッグイニングを作る原因は99パーセント、ティーショットのミスなのだ。
ということで、まず我々はドライバーが2打目を打てる所に飛ぶように練習しなくてはいけない。
レッスンプロや上級者が、「ドライバーばかり練習するんじゃない」と教えてくれても、ともかくOBや林の奥に打ち込まない程度になる迄は練習しなくてはいけない。
...それからだ、パターの練習をしたり、ウェッジの練習をするのは。
そんなこと言うと、殆どの人は練習場でドライバーの練習しか出来ない事になるかもしれないけど...やるしかないでしょ(笑)。
ドライバーの練習に疲れたら、練習グリーンに行ってパターの練習をする。
練習グリーンがなかったら、ウェッジを打つ...フルショットやコントロールショット。
ほかのアイアンやウッドの練習がしたかったら、まずドライバーを安定させること。
...そんなに力の限りに振り回すのをやめたら、曲がり幅はホールの幅で収まるんじゃない?
飛ばしっこで負けたくないのは判るけどさ。