ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

天下の暴論...18

イメージ 1

「プロの試合は、ウッドはパーシモン、ボールは糸巻きバラタ、シャフトはスチールに限定しろ!」

最近、プロの試合はメジャー以外は殆ど見なくなった。
そのメジャーでさえ自分とは関係ないショーを見ているようで、思い入れのあるプロ以外は「ふ~ん」で終わる程度の興味しかない。

聞いてみても、周りのほとんどのアベレージゴルファー達はプロの試合結果に興味を持っていない。
その理由を自分なりに考えてみると、「プロの試合と自分のゴルフが全く関係ない」と感じていることに大きな原因があるように思う。
例えば、今のプロにとって520ヤードくらいのロングホールは、男子プロならほとんどがミドルアイアン、もしくはショートアイアンで平気でツーオンしてくる。
...アイアンの番手の距離も馬鹿げた飛距離であきれてしまう...まるで自分達がやっているゴルフとは関係ない世界のゴルフなのだ。

これがパーシモンの時代は違った。
「飛ばし屋」と言われているプロでさえ300ヤードを飛ばす者は殆ど無く、キャリーで300ヤード飛ばすプロは正真正銘の「化け物」と言われていた。
それが(勿論コースセッティングや風などの状況の違いはあるが)、今は殆どのプロが300ヤード前後は打ってくる。
例えば、あるゴルフ場のロングホール、かって若かりしトム・ワトソンが「生涯最高のティーショットと、生涯最高の3wだった。」と言って2オンしたパー5...今ではここを普通の日本のプロがアイアンで2オンするのだ。
おかしいだろう。
道具の進歩は「必然」だというにしても、コースはそれに合わせて進歩出来ないのだ。

パーシモンを使っていた当時のプロのことは、自分のゴルフと比較して「凄いなあ」と自然に感じられた。
シャフトはスチールだったし、長さだって42.5インチが標準で、長くても44インチ程度。
アイアンもスチールシャフトにノーマルロフトで、自分の番手の飛距離の差はやはり「実感出来る」プロとの差を感じさせてくれた。
ある意味でのプロの試合との共通項があったのだ...自分のゴルフの延長線でゴルフをしている、と。

それが今は完全に自分達とは別な世界で試合をしている...だから、特定のプロ以外に試合の行方やスコアには興味が持てないのだ。
550ヤードをアイアンで2オンなんていっても「勝手にやってれば...自分に関係ないから」と。

...プロの試合は、パーシモンと糸巻きバラタとスチールシャフト。
大丈夫、信用出来る情報によると、パーシモンは(200年もののミシシッピパーシモンも含めて、十分すぎるほどの原材料の在庫があるんだそうだ)。
まあ、ある特定のメーカーの独り儲けにならないような配慮と、再び糸巻きバラタボールを作るのが厄介だけど、歴史あるコースのパー3・パー4・パー5に、それなりのスリルと技術と本物のパワーを競う試合が再現されるんじゃないだろうか...

マチュアは、制限無し。
それはそれぞれの場で、それぞれ基準をつければいい。
300ヤード飛ばしたいアマチュアが、それ用の特別のを使って飛ばしても、それはそれぞれのお楽しみ。
プロとの差を実感したい者は、プロと同じ基準のパーシモンに糸巻きを使ってみればいい。

プロスポーツのなかで、ゴルフはファンが「自分もプレーする」人が殆どという珍しいケース。
今のままでは「プロにとっての道具の進化」が、「自分も楽しむ」一般ゴルファーとの距離を広げているだけの結果に思える...そんな馬鹿げた数値の競争よりも、パーシモンにバラタでの「凄い!」と言わせる技術と攻略の競い合いを我々は見たいのではないだろうか?

問題は、プロを看板にした用品メーカーの一番の宣伝文句が使えなくなり、売れ行き不振になったりすることだろうけど...どうなるかなあ...