ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

もう、やめる...

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ゴルフっていうのは、1割の喜びと9割の悲しみを味わうゲームだ...最近、そんな風に感じる。

毎週一回ラウンドしたって、そのうち喜びで終わるラウンドなんて年に5回も無いだろう。
月に一回しかゴルフに行けない人にとっては、喜びのラウンドなんて年に一度あればいい方だ。

本を読み、練習して、道具を換え、悪いイメージを消し去って望む久しぶりのラウンド。
前夜は興奮してあまり眠れず、寝不足のまま向かうゴルフ場。
「今日はやれる」との予感と、なんとなく湧いてくる希望と自信。
丹念にストレッチし、練習場で打ち、パティンググリーンで状態を確かめ、朝日に輝くスタートホールのティグランドに立つ。
興奮と緊張でアドレナリンは体中を駆け巡り、気合いと集中力を極限まで高めて、自分の全てを乗せたドライバーの一振り...

...風呂から見るコースの景色は、まるで自分とは縁のない世界に見える。
朝感じたあの高揚感は、一体なんだったんだろう。

...俺には才能が無いんだ。
ゴルフをやるセンスも閃きもないし、俺には向いてないんだ。
学生時代の勉強なんかより、ゴルフの方がよっぽど勉強し研究し練習しているっていうのに...
考えてみれば、俺の人生で一番真面目に取り組んでいるものだっていうのに...
もうやめよう。
俺には才能が無い。

「ただいま」...家のドアを開けると、妻は「あら、またダメだったの」と言う。
俺がどう演技しようと、妻には結果は一目瞭然らしい。
「もう、ゴルフはやめるよ」
「あら、そう」
「今度は二人で温泉でも行こう」
「...」
「どうした?」
「ゴルフやめるの7回目ね。 温泉に行こうは3回目だけど。」
「いや、今度はもうやめた、本当にやめた。」


ゴルフをやめるとなれば...こんなに悩むこともなくなって、眠れない夜もなくなって、クラブを買い替えるために金を使うこともなくなって...あのドライバー、高かったのに...練習場では良かったのに...
なんでコースではあんなに曲がるんだ?
...あれは、ちょっとボールを中に入れ過ぎていたのか?
...それにちょっと右を向いていたか?
...だから引っぱり込んで...もっとボールを左に置けば...フェースも左を向いていた気がする...あれは...?
...そうか!