ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

忘れられないプロゴルファー...30「ベルンハルト・ランガー」

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ベルンハルト・ランガー、今でも珍しいドイツのプロゴルファー。

小柄(公称173センチ)だし、特に飛ぶわけでもなく、際だった凄みを感じない(アイアンだけはキレるけど)ゴルファー。
表情を変えることなく、理詰めでプレーするように見えるところが「いかにも」のドイツ人といえそうだ。
1985年にマスターズ優勝...ドイツ人としてはもちろん初めてのメジャー優勝。
この時には来ていた赤いシャツのせいもあって、アメリカ人達に「レッドバロン」と言われた。
確かに第二次大戦中の悪いイメージが今でも強いアメリカにあって、第一次大戦複葉機撃墜王レッドバロン」は数少ない尊敬されるドイツ人ヒーローだったんだろう。
優勝スピーチでマイクを向けられた第一声が「ジーザスクライスト!」だったときには、なんか周りがシラーーっとしていた。(後日、「あの頃は英語が喋れなかったので、ピッタリの言葉だと思っていたんだ」と言っていた。)
スロープレーとパッティングが問題で、スロープレーでは何度も同伴競技者がぶち切れたり、ペナルティーを食ったりしている。
パッティングは酷いイップスとなり、長尺パターやクロスハンドグリップを最初に使った一人として知られている。
1993年にもマスターズに勝ち、メジャー2勝。
ヨーロッパツアーで42勝、最近では2008年のチャンピオンズツアー賞金王。
あまり知られていないことだが、初代世界ランク1位(3週間維持)。

彼がマスターズに勝った1985年は、テニスであのボリス・ベッカーウィンブルドンを17才7ヶ月で制していて、ドイツではその方が遙かに大きく取り上げられて、マスターズ制覇の記事は非常に小さな物だったという。
...思うんだけど、スペインのバレステロスが勝ったときもそうだったように、殆どゴルフが盛んじゃなかった国からメジャーを獲るような強いゴルファーが出てくる。
アルゼンチンでは、ロベルト・デ・ビセンゾやアンヘルカブレラ、もそうだ。
何で、これらの国よりよっぽどツアーが盛んで、賞金も多く、環境も良い日本からはメジャーを獲るような強いゴルファーが出てこないんだ?
もう、かなり長い時間我々は待たされているよなあ...メジャーを獲る日本人ゴルファーの登場を。
青木、尾崎、中島が揃ったときには、「もう間もなくだ!」と期待していたのに、あれから段々賞金王は小粒になって、今じゃ予選を通るかどうかでハラハラする始末。

あとどのくらい待てば、乾杯できるんだ? 俺たちは。
頼むよ、日本のプロゴルファー...あんまり期待しないで待ってるからさ。