ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ゴルフ短編小説挿絵ー4

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これは、サトルさん( https://blog.golfdigest.co.jp/user/woodhouse/ )さんの、短編小説「サドンデス」の挿絵の第7回分。
内容は彼のブログをご覧下さい。

さて、ゴルフの「本」の話。
この前買ってきた本の中に、色々と参考になることが書かれている鈴木康之さんの「ゴルファーのスピリット」という本がある。

読んで見ると、薀蓄と風刺と諧謔、ユーモアたっぷりで、何とも羨ましいゴルファー達の姿や言葉がちりばめられていて、まるでゴルファー達の夢の世界のような気がしてくる。

...そうなんだ、俺たちとは全く違う世界のゴルフの話みたいな気がしてくるのだ。
そこにいるのは、生活の不安なんてこれっぽっちもなく優雅に日々を送る、庶民とは別の世界の人達の話。
行きたいときにいつでもゴルフに行ける人々、名門のゴルフ場での優雅な優雅なエピソード、子供の時から自然にゴルフに触れ合うことが当たり前の人々...
それは、今でも人望がありファンの方達も多く、一部では神のように尊敬されている中部銀次郎氏の事を知ったときにも感じたことだった。

違いすぎるんだ...ゴルフをする背景が...
俺たちはゴルフをするために、なけなしの金の工面と仕事の時間の遣り繰り...例えば、ある人は家族の生活費からこっそりと金を流し、ある人は奥さんの目を盗み、ある人は子供のミルク代まで持ってゴルフに行ったりしている。
だから、レストランで昼食をとらずにクルマで食べたり、一番安いカレー以外食べなかったり(安いと言っても千円以上するのが殆どだけど)...クラブなんかの道具だって、新製品を買うなんて何年に一回あるかどうかだし、殆どは中古クラブ屋で探したりしている。
そんな生活の中でもゴルフが好きで、上手くなろうとして、色々な練習法を考えて努力している人が多い。
確かに、ゴルフは紳士のスポーツだ...礼儀と作法、プライドと誇り、心に余裕を持った遊び...だけどそれは、ひょっとして「上流階級」だけのものということなのか?
我々貧乏人には、「お前らの来る場所じゃない」と言われる世界なのか?
本来ゴルフは、生活になんの苦労もない人しか許されないものなのか?

書いてあることは非常に面白くて納得することばかりなんだけど、その底に流れている空気には...「疎外されている者の痛みは、疎外されている者にしかわからない」なんて感じてしまう俺は、ちょっとひねくれすぎているのかしら。