ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

二人の距離

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二人並んで川の堤防の上の道を歩いている。
見た感じでは、年は70代後半か80代。
勿論手をつないだりする事も無く、肩を並べてゆっくりと。
川筋が緩くカーブして、桜並木が途切れるところで二人立ち止まる。

少し腰を伸ばして、空を見上げ、辺りを見回して二言三言。
川に背を向けて、コンクリートの歩道側から草の土手に足を下ろして二人座り込む。

その二人の距離。
なんか、離れて一人と一人。
ぽつんぽつんと、何やら話しは断片的に。
時間を足で転がしながら、二人静かに日溜まりに居る。
小さな背中が動きを止める。

やがて
元女から、元男へ一言二言。
うなずいてゆっくりと腰を上げる。
もう一回伸びをして、またゆっくりと歩き出す。
肩を並べて。
座っていたときよりは近付いて。

ゆっくりゆっくり。

歩き続ける。