ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

行く道だ

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宗教的な言葉なんだろうが、耳に残る言葉がある。


子供叱るな来た道だ
年寄り笑うな行く道だ
これから通る今日の道
通り直しの出来ぬ道



どこかの寺院の門前に書かれていたものだと思う。
なるほどなあ,,,なんて思って記憶に残った。

自分じゃ全くそう思えなくても、膝が痛いとか腰が痛いとか、街角のショーウィンドウに映る自分の姿が全く普通の年寄りの姿だったり....年を数えてみれば、若い頃の自分の感覚じゃもうヨレヨレのジジーのはずの数字だったり。
自分の感覚と周りの世界との時間感覚のズレが酷くなって来たな、としみじみ思う。

今、一日に最低5千歩は歩くつもりで居る。
運動不足での身体の不調から逃れる為に、体重増加を防ぐ為に、来るべきゴルフシーズンに備える為に、そして晩酌を美味しく頂く為に。

歩くコースが問題だ。
ゾロゾロと老人達が健康の為に歩く川沿いのコースがある...ゆったりとゾロゾロと老人が列をなして歩いている、そんな老人散歩コースなんぞは絶対に歩きたくない。
胸を張り歩幅を大きく、早足で汗をかく迄休み無く歩く。
そんな自分は、そういうコースのゆったり散歩行列とはリズムが合わずに歩き辛いので、なるべく人の歩かない場所を選んで歩く。

あまり人の居ない、寂しい川の側の道を早足で歩いていて、一人の老婦人とすれ違う。
折れた枝を杖代わりにして、遅いスピードながらしっかりと一歩ずつ歩いて来る。
休まず、リズムを変えず、少し左足を引きずりながら、同じリズムで歩き続ける。
すれ違う時に少し会釈をした。
少し歩いて振り返ると、彼女は相変わらず同じペースで歩き続けている。
...そっちの方角には、しばらくの距離下りる場所も休む所も住宅も無い。
夕陽は、あと1時間くらいで落ちてしまうだろう。


自分も、同じ様な老人に見えるのかなあ...そんな思いがちょっと頭を過った。
まあ、しょうがない。
この道も通り直せない道なんだから。