ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2014年マスターズ 3日目

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やっぱりなあ...と。
誰が勝つかなんて全くわからない混戦になってしまった。

もう30年メジャーの試合を見続けて来て、確信を持って言える事がある。
メジャーに勝つ為の「絶対に必要な条件」と言うヤツだ。
それは「最終日」に難しいパット、チャンスのパットが入る事、だ。

メジャーに出る様なゴルファーは、ショットが良いのは当たり前。
我々レベルから言えば「神」とも言える名手ばかり...練習場でなら150ヤード先の1メートルの直径の円の中に、100球打てば100球入れられる様なレベルのはず。
ただしそれは平らな場所から打つ練習場での場合であって、同じ距離であってもコースに出てライの条件が違い、風があり、気温が違い、グリーンの難しさが加わると、もっと短い距離であっても実際の試合の中でベタピンにつく場合はそう多くない。
どんないいショットであっても、コースではワンピンから4~5メートルにつけば「チャンス」となる。
これが入る選手が上位に行き、外す選手が落ちて行く。
面白い事に、試合の4日間ずっとこれが入りまくる選手なんていない。
誰かが5~10メートルが一日だけ入りまくり、上位に飛び出すなんて事はあっても、それはまず二日は続かない。
今回も1日目にハースが5~10メートルが入りまくって飛び出したが、2日目にワンピンが全く入らずに落ちて行った。

B・ワトソンは誰よりも飛ぶ為に、セカンドは短いアイアンで打て、ロングは全てツーオンできるのでワンピン以内のチャンスのパットを打つ機会が非常に多い。
だからワトソンはティーショットのミスさえ無ければ(普通のパットの状態なら)、優勝候補の筆頭であるのは間違いない。
元々下部ツアーの時から飛ばすし小技もうまいので評判のゴルファーだったが、PGAツアーに出始めた頃はプレッシャーがかかると目がおどおどして宙を泳ぐようになり、ミスが多発して自滅するパターンが多かった。
しかし、何勝かするうちに落ち着きが出て、2年前にマスターズに勝った事でもうそんな自滅は無いと思っていたのに...今日になって、目が宙を泳いで落ち着きが無くなる様な顔を見せた。
そしてチャンスのパットを殆どショートし、3パットまで繰り返す...まだ3日目だと言うのに。

試合は面白くなって来た。
個性的なメンツが揃い、誰が勝っても「いいお話」が出来そうな雰囲気だ。
B・ワトソンは一度勝っているから除いて、個人的に応援したいのはヒメネス
このまだそんなに年ではないのに、いかにもスペインの田舎の成金オヤジの様な貫禄と落ち着きがいい。
M・クーチャーも、「彼の表情には『笑っている顔』と、『もっと笑っている顔』しか無い」と言われる、まるでノーマン・ロックウェルの描く「良きアメリカ人」のイメージの様なキャラクターがいい。
そしてJ・スピースなら、最年少優勝の記録やタイガーの後の時代を担うヒーローの登場と言う意味で、歴史を作る優勝となる。
また、L・ウェウストウッドなら、63回目の挑戦でのメジャー優勝という「苦労話」つきの歴史的優勝となるし、K・スタドラーなら「親子同時出場での初めての優勝」になる。
まあ、4日目にはもうすっかりガス欠になっているだろうけど、あのニクラスの時の様な「カプルス イズ バック!」の声も聞いてみたい。

...ワトソンがパットを打てなくなった為に、最終日には沢山のおとぎ話が出番を持っている様な状況になった。

勝つのは絶対に、最終日に一番パットが入ったゴルファー。
そして、オーガスタの女神に一番好かれたゴルファー。

それを目撃出来るのが、本当に楽しみ、楽しみ。