ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

旅猫2号

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柚の前に飼っていた(19年同居していた)パトラは、「旅猫」だった。

子供が小学校時代に無理をして手に入れたキャンピングカーで、夏の長期旅行や何日かの流れ旅には必ず家族と一緒に旅をした。
いつも最初のうちだけ...夜中に出かけて走り出してしばらくはキャンピングカーの中で緊張と恐怖と不安で震えていたりしたけれど、すぐにキャンピングカーを我が家として、いつものようにゆったりと同居することが出来た猫だった。
食事もトイレも普段と変わらず、寝る場所とのんびりする場所を決めて、誇り高い「猫らしく」存在していた。
...それでも、さすがに「猫」なので、旅先で外に出ることは嫌がっていたけれど。

そしてパトラが去って、我が家にやって来た「見えない猫」の柚。
先代のパトラに比べると、全く野性味が無く、大人しく、運動神経も...かなり見劣りする。
「おまえ、ホントに猫なの?」と、つい聞きたくなることが一日に何度もある。
戯れないし、走らないし、すぐに捕まるし...滑るし、落ちるし、こけるし、ドジる。

そんな柚と、金曜日の夜から下の娘の希望で「清里」から「軽井沢」に行って来た。
娘が勤めから帰って来てから出かけて、小淵沢道の駅の「延命の湯」(24時まで...23時迄に入れば温泉を楽しめる)に間に合うように走って、小淵沢道の駅で車中泊
...柚は、やっぱり走り出した時は興奮して、外を見ながら「ニャーニャー」と声を上げる。
娘や奥さんにしがみついて、落ち着かない。

しかし、1時間も走るうちに慣れて来たらしく、車内の探検に歩き回るようになる。
以前連れて来た時にはまだ小さくて、すぐに座席の下の隅っこに潜り込んでいたけれど、今回は窓から流れ行く景色を見ながらあちこちと歩き回る。
これから柚も一緒に旅をする機会が沢山あるはずだから、今回は柚に自分の居場所を見つけてもらうつもりで、運転に邪魔にならない限り好きなようにさせてみた。

心配だったのは、上のバンクベッドに上がれるかどうか...
下のキッチンの上からバンクベッドまでは50センチ以上あり、それで無くても普段ジャンプなんかは苦手な柚が自分の力で上がれるか...
先代のパトラは寝る時や一人で車で留守番する時には、バンクベッドに置いてある羽根布団の中に潜り込んでいたものだった。
猫としては、座席の上や下より二階のバンクベッドの方がずっと落ち着けるはず...でも、今の柚にはそこはちょっと遠いかも...

それが、温泉から帰って来て柚を呼んでみると、なんと2階のバンクベッドの布団の中から出て来た。
..一応、柚も猫の端くれ...50センチ以上をジャンプして、自分の隠れ場所を見つけることが出来たって訳だ。
まあ、普通の猫だったら容易くやっていることだと思うけど、うちの運動神経音痴で大人しい柚がそれを出来るとは思わなかった。
猫の面目を保った柚はすっかり自信がついたらしく、それからは寝る時や車内から人がいなくなる時にはすぐに二階に上がって寝るようになった...どうやらパトラと同じく、そこがお気に入りの場所になったらしい。

柚は、帰りにはすっかり車の移動にも慣れたようで、娘の座る座席の横で布団にくるまって落ち着いて寝ているようになった。
飽きると助手席に座った人の膝の上から窓の外を見たり、えさを食べたり...

もう大丈夫だろう。
旅猫2号」、柚の誕生だ。