ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

抱きやすい猫

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小さな頃から、いつも自分の家には猫がいた。
池袋の官舎にいた頃から、結婚して埼玉県に住んでからも...いつも偶然が作用して捨てられた、あるいは親猫に育てられなかった猫を飼うようになってしまう。

柚は長く生きたパトラの後を継いだ、埼玉に来て3代目の猫だ。
パトラは長女が小学生の時に拾って来た猫、その前の猫は借家の縁の下にどこかの野良猫が生み捨てて行ってしまった猫。
柚は、一人住んでいる長女のアパートの近くで親に育てられなかった猫...他の兄妹猫と比べて育ちが遅く、家族の移動について行けずに餌を食べる事が出来なくて弱っていた猫だと言う。
本来ならば一番先に淘汰されてしまう様な生命力の弱い猫だったんだろう。

そのためか柚は人間に対する警戒心の全く無い、無防備な猫の様な気がする。
誰にでも抱かれるし、怒って爪を出して引っ掻いたりする事は無いし、甘噛みも含めてまず人を噛まない。
怖いと感じると逃げるけれど、追いかけるとすぐに諦めて立ち往生してしまう。
オモチャなどに戯れる気持ちも弱いらしく、目の前でそれを動かしている我々をすぐに見上げて「なぜそんな事をしてるの?」と言う顔をする。

そしてそんな性格は「今まで飼った猫の中で、一番抱かれやすい猫」と言う事になる...実はこれは自分にとっては非常に喜ばしい事だ。
どうも自分は猫に嫌われる...自分がかわいがろうとする事が、猫にとっては「しつこく」感じるらしい...今までの猫は数秒抱いていると「もう結構」とばかり,必死の動きで逃れようとする。
何度も繰り返すと、顔を見るとすぐ逃げようとする...結構これが傷つく(笑)。

しかし、柚は違う...膝の上でゆっくり寝てくれるし、抱いていると気持ち良さそうに小さく喉を鳴らす。
仕事中にこうして膝の上で膝掛けをかければ、寛いでもくれる。
柔らかい毛触りも暖かい体温も、小さく伝わる喉の音も肉球の感触も....これが「癒し」というのかなあ...

外に出ては絶対に生きて行けない猫だから、せめて家の中では「柚の世界」でのんびりゆっくり生きてくれればいい...そんな柚とまた一年。

さあ、仕事も始まって、ゆっくり歩き出しますか...