ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

草食系

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久しぶりの「柚」の事。
前に家にいた「パトラ」と違い、柚は魚を食べない。

パトラは私が刺身とか魚系の摘みで晩酌をしていると、必ず側に来て座って待っていた。
普段はまったく私には甘えない猫だったが、何を言うのでもなくじっと座ってこちらを見ている。
その視線の中で、どうしても私は知らんぷりで摘みを食べるわけにはいかず、結局一番高そうな・美味そうな刺身はいつもパトラが食べる事になってしまった。
それはパトラが高齢になり、何も食べられなくなるまで続いた。
...パトラが最後に食べたのは、柔らかいホタテの刺身だった。
その後は何も食べられなくなり、20年あまり生きたパトラは静かに旅立って行った。
他の家族が寝た後、毎晩深夜の何も言葉のない、私とパトラとの付き合いだった。


柚は違う。
そうしたものを摘みに酒を飲んでいても、柚は興味を示さない。
刺身を与えても、匂いを嗅ぐだけで食べない。
肉は少量食べる。
キャットフードは好き嫌いがあるようだが、基本的に食は細い。
...柚という猫は、何についてもモノに対する執着がなく、「生きる」と言う生命力の強さも感じられない。
いろいろなものに怯え、気が弱く(優しいのかもしれない)、爪を立てたり甘噛みをする事さえ極まれだ。
喜びや興奮するなんて事もまずなく、ひたすら静かなところでくつろいでいる事を好む。
パトラと違って、どこにいても捕まえる事は容易で、抱かれるととりあえずは身を任せて大人しくしている。
..,本当に、この猫は人の手で助けられなかったら、絶対に生き延びてはいけない猫だったと思う。

そんな柚が、唯一興奮し喜ぶのがこの「草」を食べる時。
毎日この草をくれとせがむ。
この草を育てている容器を持ってくると、足にまつわりついて離れない。
この草の葉を一本ずつ与えると、他のどんな食べ物より喜んで食べる。
放っておくと生えている草をほとんど食べてしまうらしい。

この草は「エン麦」とかいう、猫の消化を助ける植物なんだとか。
種で買って来て、育ててから猫に食べさせる。
見ていると猫にマタタビを与えるときのようにも見えるけど、別にうっとりとなる訳でもないようだ。

これじゃあ、腹の足しにはならないような気がするんだけれど...
草食系の猫...ってなんか変じゃない?