ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

初めての海

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うちに前にいた猫「パトラ」は、キャンピングカーで一緒に旅をした「旅猫」だった。
北海道から東北、北陸から中部地方まで、あるいは夏恒例のキャンプも一緒に、1週間前後の旅をいつも一緒にした。
やはり猫故に旅のはじめは緊張して布団の中に隠れていたが、2日目位からはキャンピングカーを我が家として普通に暮らすようになっていた...旅を楽しんでいたかどうかは判らないけれど。

柚をそんな先代に負けない旅猫に、と一泊の海を見る旅に連れて行った。
今年の夏一度も海を見れなかった下の娘の要望もあって、場所は以前行っていた根元キャンプ場から、九十九里の海を楽しむドライブ。
金曜夜、娘が勤めから帰って来た後、8時出発。
とりあえず館山まで行くために、首都高からアクアラインを通り、館山道で館山に。
館山の海岸パーキングで車中泊だが、割合スムーズに走れて10時過ぎには到着。
柚は、最初は怖がって椅子の下に潜り込んでいたが、少し走って慣れて来たら娘と一緒に寛いでいたようだった。

翌日は、館山で朝食をとった後、まず根元海岸。
もう夏の名残は無く、やや雲の多い天気の下、懐かしい景色が広がる。
キャンプ場も色々変わって、古いトイレや炊事施設が無くなっていたり、施設の数が半分ほどになっていたり...この数年で大きな変化があったように見える。

で、柚の出番。
辺りに犬や他の人の姿もなく、海鳴りと風の音だけの砂浜に柚を連れて行く。
...その結果は写真のように...

砂の感触と、波の音と、風の音、多分猫にとっては広すぎて隠れる所もない風景に、腰が引けて後ずさりするばかり。
抱いて海岸に行く途中で、もの凄く不安そうな顔になり舌が出たままになり...
砂の上に下ろすと、尻尾は後ろ足の間に入ったまま。

一歩も前に進まず、ただ娘の足元に後ずさりするだけ。
パッと振り返ると、必死に娘の肩に上がろうとする。
普段どんなに戯れても爪を出さない大人しい猫が、必死に爪を出して肩に上がろうとするので「可哀想だから車の中に入れてあげよう」。

写真のように肩にしがみついて、車の中に帰って行った。
...車に戻ると、一目散に椅子の下に潜り込んでしまったとか...

大体猫は広い所が苦手だというから、ちょっと可哀想な事をしてしまったようだ。
犬と違って、砂浜を駆けるなんて無理な事なんだけど...これも経験と言う事で。
うちの2代目旅猫となるからには、少し変わった環境でもパニックにならないようにしなくては。

帰りの車の中では、すっかり落ち着いて普通に椅子の上の布団の上で眠っていた。
怖がってはいても酷いパニックを起こさなかったし、落ち着くのも速かったから、もう少し慣れれば立派な「旅する猫」になれそうだ。

これからは、定期的に旅に連れて行こう。
なあ、柚。

.....いや、か?