ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

パターは抱いて寝るけど、ドライバーは抱いて寝ない

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「パターは抱いて寝るけど、ドライバーは抱いて寝ない」...岡本綾子

岡本綾子は、国内44勝、アメリカ女子ツアー17勝、ヨーロッパ2勝を上げている。
岡本綾子プロ野球野茂英雄とともに、周囲の反対のため「石持て追われるがごとき」思いをしながら日本を飛び出し、本場米国でたった独りで厳しい道を開いた海外挑戦のパイオニアである。
その後に続いたプレーヤーは、彼等に感謝せずに大きな顔をする事なんで出来ないはずだ、という存在。

その、たった一人で自分の腕とクラブを頼りに世界に挑戦して生きて来た岡本綾子だからこその、気になった言葉。
今年の全英女子オープンの解説の途中でふと漏らしたこの言葉は、ゴルフに対する岡本綾子の考え方を表しているように感じて頭に残った。

元々ソフトボールで投手で4番、それで国体優勝までした岡本は、ゴルフに転向した時、パーシモンに糸巻きボールの環境で250ヤード以上を飛ばしていた、女子プロきっての飛ばし屋だった。
普通の女子プロより30ヤード以上飛び、男子プロで杉原でさえその飛距離をうらやましがったと言われている。
もちろんアメリカツアーでも、その飛距離は十分アメリカ選手に対向できる武器となった。

しかし、そんな豪快なショットが売りだった岡本が、「パターは抱いて寝るけど、ドライバーは抱いて寝ない」と言うのが面白い。
メジャーは遂に穫る事が出来なかったが、日米で数多くの勝利を手にした岡本にとって、勝負はやはりパターだったんだろう。
だから、自分の期待以上に入ってくれたパターは抱いて寝る程愛おしかった、ということだと思う。
ドライバーは勿論大きな武器ではあったけど、良く入るパターに比べればそのこだわりはずっと薄かったんだろう。

良く昔から「ドライバーイズショー、パットイズマネー」と言われているけれど、金がかかっているいないに関わらず、上級者がスコアを作るのは結局パットだという事は真理だろう。
だから競技をするようなゴルファ-程、良く入るパターというものに他のクラブには無い愛着と信頼、そして愛情を感じるのだろうと思う。

まあ、それが判っていても自分はと言うと...
一番練習しないのがパッティング。
理由は楽しくないから、ストレス解消にならないから、上手くなったような気がしないから...そして、実際にラウンドしてみて「入る日は不思議なくらい入るけど、入らない日はどんな事したって入らない」というのを何度も経験してるから。

だから、パターを抱いて寝た事なんて無い。
今欲しいのは、そこそこ飛んで曲がらないドライバーだし、打感の良い奇麗なアイアンだし、変なライから打てるユーティリティーだし、距離感の合うウェッジだし...

だから、きっと自分はスコアがまとまらないんだろう、とは思う。
きっと抱いて寝る程パターに執着し、パットに期待するようなゴルファーじゃないと、いつも行き当たりばったりのお祭りゴルフにしかならないんだろうなあ、と。

...それに、大体自分は今までクラブ抱いて寝た事無いし...
酒飲んで、明日のゴルフの夢見ながら寝るのが楽しみなんて、とても岡本綾子のようにはなれない...って、当たり前の事か(笑)。

...酒飲みなのは、岡本綾子と同じみたいだけどね。