ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

肩は横に回さず、上下動させろ

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「肩は横に回さずに、上下動させる」...トム・カイト

トム・カイトは、ツアー19勝・メジャー1勝(1992年全米オープン)。
身長170センチと小柄で非力でありながら、長い時間米ツアーで戦い抜き、1981年と1989年には賞金王にもなっている。

そのトム・カイトのこの言葉...我々が教わる「ゴルフの常識」とは違う「危険な言葉」だ。
今、世間にあるゴルフスイングの教本の90パーセントは、「肩は水平に回せ」とか「スイング軸に対して平らに回せ」と書いてある。
「肩を上下動させろ」なんて言葉は、むしろ「やっちゃいけない事」として書かれている。

ただ、「肩を上下動させてはいけない」というのは、つまり「頭」が上下動しやすいから、なのだ。
頭さえ上下動しなければ、「肩を上下動」させる意識はスイングのきっかけを作りやすく、アップライトな大きなスイングをしやすい。
肩を横に回転させるイメージは、フラットなスイングプレーンとなり、球筋が左右に散らばりやすくなる。
対して肩を上下動させるイメージは、アップライトなスイングプレーンのイメージとなり、(頭の上下動が無ければ)ボールの掴まった安定した球筋となりやすい。

ただし、これは怒り肩の人や肩周りの関節の堅い人には無理な話。
トム・カイトのように、なで肩の人や肩周りの関節の柔らかい人にしか合わない言葉なのだ。

ただ、肩や身体の堅い人でも、スイングの始動のきっかけに左肩を下げて、右肩を上げるイメージを持つと、スッとクラブが上がって行くのを実感出来るだろう。
堅い身体の人がやれば「ギッタンバッコン」スイングになってしまうが、(頭が動いてもいいから)こうしたスイングを意図してやってみると、アップライトなスイングプレーンでフックを打つスイングをイメージしやすい。
実際に左肩を下げてバックスイング(頭は左にクラブヘッドは右に)、右肩を下げてダウンスイング(頭は左にクラブヘッドは右に)でボールを打ってみると、フックボールが出る。
フィニッシュが明治の大砲になるのを覚悟してこんな振り方をしてみるのも、万年スライサーを自認するゴルファーには良い経験になるはずだ。

...この言葉のポイントは、頭を上下動させない事。
左右には多少動いても、決して上下動させない事...これが難しい。
このトム・カイトの言葉は、薬でもあるし、毒でもある。
この言葉が自分に効くか効かないかは、アドレスの姿勢で絶対に頭を動かさずに、ほんの少しだけ肩を上下動させてみたり、横に回してみると判る。
頭を動かさずにスッと上げられたら、大丈夫。

もし、なで肩で非力な人が、ハイドローを打ちたかったらやってみる価値はある。