ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

体重移動は回転の結果だ

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「バックスイングで体重が右足に移動するのは、「回転の結果」であって、「横に移動」するからではない・・・ディック・メイヤー。
(ディック・メイヤーは1957年の全米オープンチャンピオン、ツアー通算7勝。)

ゴルフのスイングというものが、「軸を中心とする回転運動」である、という事は常識として誰もが知っている事だろう。
どんなゴルフの教本にだって、そんな事は書いてある。
...しかし、以外と沢山の人々がろくに回転もせずに、力任せにボールを引っ叩いているのが現実だ。

ボールを前にすると「回転」するという動きは、「ボールから離れる」感覚になる。
それから、多分色々な人から貰っただろうアドバイス「ボールを良く見ろ」という言葉にも逆らうような気持ちになる...何しろ回転すると、ボールが見難くなるんだから。
身体を回転させると、妙に苦しくきつい体勢になり、「本当にこれでボールに当たるんだろうか?」という不安感も強くなる。
...で、どうなるか。
ボールをよく見るためには、顔をボールに向けたままにしておかなくてはいけない(と思い込む)。
ボールにヘッドを確実に当てるためには、なるべく打つ方向に「真っすぐ」にクラブヘッドを振らなくてはいけない(と思い込む)。
さらに、遠くに飛ばしたいがために、力を入れやすい動きをやろうとすれば、思い切り右に身体を揺すってから反動をつけてボールを叩きに行けばいい(と思い込む)。
すると、身体にそんなにきつい動きでなくても、ビュンビュン力を入れて振れてくる(ような気がする)。

そして、世の中には、ボールをじっと鬼のような顔で睨みつけたまま、ゆっくりと右に身体を揺さぶっておいて、さらに憤怒の鬼の形相で歯を食いしばり、額に青筋を浮かび上がらせて、まるでボールに強烈な殺意を抱いているように、クラブヘッドを叩き付けるゴルファーが沢山存在するようになる。
...だから、その一瞬後には、日本中のティーグランドの9割から、恋人を無くしたような悲しげな悲鳴と、自分を殺したいほど責める罵声と、一番嫌いな誰かを呪うようなおぞましい声が溢れる事になる...

ゴルフのスイングの面白い所は、「やりたい動き」だとか「動きやすい動き」だとか「気分が良い動き」だとか、普通の人が本能的にしてしまう自然な動きとは「逆の動き」が正しい事が多い所だ。
だけど、これを理解出来ると、パッと世界が開けるのも事実。
上手くなるという事は、それに気がつくという事でもあると思う。

スイングは「回転運動」...基本の基本なんだけれど、すぐに「気持ち良さ」に負けて忘れやすい。
「ボールを打つには身体を回転させる...平行移動はミスのもと」。

この基本、一応いつも頭に入れておこう。