ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ボールの前後1メートルを打ち抜け!

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「ボールの前後1メートルを打ち抜け」..ジャック・ニクラウス

「帝王」ジャック・ニクラウスは、度々スイングのポイントは「ボールを打つ」のではなく「ボールを打ち抜け」(ヒットスルー)と言っている。
ボールに向かって、「ボールを打つ」意識では飛ばないしミスしやすいと言っている。

今のスイングのレッスン書では、より飛ばすためにヘッドスピードを上げるには、「ボールの先で(フォローで)最大のスピードが出るように振れ」と書いてあるのが一番多いだろう。
これは、ボールにインパクトする瞬間に最大のヘッドスピードが出るように意識を持って行くと、どうしてもその後に無意識にブレーキがかかるからだと言う...そうなると実際にはボールに当たる前にブレーキがかかり始めて、減速しつつボールに当たる事になり、自分の最大飛距離は到底望めないことになる。

ただ、自分がそんな意識で打ってみて感じる事だが、インパクトからフォローで最大のヘッドスピードを出そうと意識すると、どうしてもインパクト直前に手首や下半身やその他身体のあちこちで、「一番のヘッドスピードを出そう」として急激な反応が出やすい。
そうなると今の400ccを軽く越えるような大きなヘッドのドライバーは、あまりにも慣性モーメントが大き過ぎて、その急激な反応に対応しきれないままインパクトを迎える事になってしまう。
結果は、右プッシュアウトが一番多く、次が引っかけヤチーピンや...「大型ヘッドのドライバーなのにどうして?」という結果になりやすい。

この時に、意識をジャック・ニクラウスが言うように「ボールの前後1メートル」でヘッドスピードを最大にしようと意識すると、大型のヘッドは割合大人しい挙動でインパクトゾーンを走ってくれる。
つまり「ボールのあとの1メートル」は勿論大事なのだけれど、「ボールの前の1メートル」が意外と今のドライバーにとってポイントなのだ。

ただし、ニクラウスの言葉の本当の意味は、あのパーシモンの時代のインパクトゾーンの話...つまり、この前後1メートルで、下半身のひねり戻しにレートヒット、手首のアンコックの我慢、アンコックしてからボール到達までの一瞬の間に右手の追い越し...等々、恐ろしく複雑な動きをしている上での話なのだ。
でも、今の時代の大型ヘッドのドライバーでは、そういう事を一切考えないでシンプルにボールの前後1メートルで最大のヘッドスピードを出すイメージを持てばいい...と、言葉通りの意味に曲解しての「名言」、としておきたい。