ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

シャンクは油断から生まれる

イメージ 1

「シャンクはちょとした油断から生まれる。例えばどこに落とそうとか、どんなボールを打とうかということに気を取られて、ボールを打つ事に集中しなかった時に不意に出る。」...キャリー・ミドルコフ。

シャンクに悩んだ事がある人には、覚えがあるだろう。
極稀に「なんだかシャンクしそう」なんて言いながら本当にシャンクする人もいるが、多分これは自己暗示にかかりやすい人の特殊な話。
(実際にセカンドショットからそう言いながら、だんだん右の林の奥に消えて行った人もいるけれど。)

しかし、普通はシャンクは突然にやってくる。
多いのが絶好のライの花道からアプローチ、ピンまで上り、転がしても上げても自分の腕なら確実に寄せられる...ピンにぴったりとついたボールが打つ前からイメージ出来る...そんな時だ。
頭の中に「ふわりと浮いたボールが、2バウンド目でピンそば30センチくらいのところにぴたりと止まる」のが見える...そのイメージでバックスイングして...「ガシャッ!」
一瞬、何が起こったのか理解出来ない。
が、ほぼ真横に飛んで行くボール...手に残る固い石でも打ったようないやな振動。
「なぜだ? なんであんなところにボールが? どこに当たったんだ?」
真っ白になった頭で、まだ事態が十分理解出来ないまま慌ててボールのところに行き、「なにやってるんだろ、俺は」なんて思いながら、もう一回打つ...「ガシャッ!」。
ここで、他のプレーヤーが「シャンク!」「落ち着け」「ゆっくりゆっくり」なんて声をかけてくれるのが聞こえる。
「シャンク...」
もしそこがバンカー越えだったりしたら、シャンク地獄はまだまだ続く。
打てるライだったら、とりあえずパターでグリーンに乗せる。
...その日のラウンドは、そのシャンクのために滅茶苦茶になって終わるだろう。
そして、もっと恐ろしいのは、それが忘れられない記憶となってその後のゴルフにも影響を与えるってこと。

シャンクの原因は、単純明快。
スイング軌道がボール側にずれて、ボールがフェースに当たらずにネック付近やシャフトに当たる事。
だから、治すにはスイング軌道に注意してフェースでボールを打てるように振ればいい。

...問題は、その通りに出来ない事だ。
シャンクの治し方については、古今東西多数の本が出ている。
シャンクの治し方のレッスンは、週刊誌月刊誌等々で何回くらい特集されている事だろう。
なんでこんなにレッスン書に書かれているかと言えば、原因が分かっても治らないからだ。
そのレッスン書には、それぞれ本当に沢山の種類の矯正法が書いてある。
しかし、シャンクがレッスン書を読んでぴたりと治った人は殆どいないそうだ。
殆どの人は同じような状況になった時に、一度経験したいやなイメージが手強い恐怖心となって身体の動きをぎこちなくさせてしまう...その結果、まるで再生されたビデオの映像みたいにまたシャンクを打ってしまう、とか。

そこで「シャンクの原因は心の油断である」という言葉。
つまり、打つ前から甘い結果をイメージし過ぎて(感じを出し過ぎて)、一打一打「そのボールを打つ」という事を決して疎かにしてはいけない、と。
シャンクが出てからでは治す事は困難なんだから、シャンクなんてものに出会わないように...くれぐれも油断したショットなんかをしないように...
ご用心、ご用心。