ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ゴルフのコレクションとは..

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「ゴルフのコレクションとは、ゴルフという「狂気の世界」の中のもう一つ特別な「狂気の世界」である)...ジョゼフ・マードック

このジョゼフ・マードックと言う人は、「ゴルフ収集家協会」(GCS)の創立者
自らの趣味の事を「狂気の世界」と言うのだから、その情熱たるや常人の想像を遥かに超えたものだったろうと想像出来る。
この「ゴルフのコレクション」というもの、自分でも思いたるのはクラシッククラブやボールという「道具のコレクション」。
ゴルフというものにある程度熱中してくると、ゴルフの歴史やゴルフ史上の名プレーヤーの逸話などに興味が湧いて来て、同時に彼らの使っていた道具にも興味が湧いてくる。
勿論、性能的には圧倒的に現代のクラブの方が上なのは間違いないし、あらゆる科学的な研究の結果を体現した今のクラブは、機能的な美しさでも昔のクラブとは比べ物にならない。
しかし、スコア以外のものにも興味が向き始めたゴルファーは、ほんの少し前まで使われていたパーシモンヘッドのドライバーの美しさに魅了される事が多い。
その一本一本手作りの、ベテランの職人が民芸品的に造り上げたクラブには、コンピューター制御で量産された機械的な道具の冷たさの対局にある、情緒的な佇まいさえ感じられるだろう。
そしてもっと昔の、「時代の名器」と言われたマグレガーやトミー・アーマーのパーシモンドライバーなんかを見てしまうと、その美しさはまさに美術工芸品と感じる事だろう。
そして、それを自分のものとして飾ってみたい、撫で回してみたい、なんて思ったとしたら、もうあなたは狂気の世界の中の狂気の世界に嵌り込んでしまうという訳だ。
アイアンも同じ...性能的には今のアイアンの製品管理の方が行き届いているのは当たり前。
しかし、クラシックアイアンはその材質や「無駄」としか思われない装飾にも、単なる道具以上の「何か」を感じさせるものがある。

...そんな道具に興味を持って、一つでも手に入れてしまうと...もうその病気からは逃げられなくなる。
と言っても、本人にはそのコレクションは趣味の世界を広げ、独りの時間を充実させ、仕事や実生活がたとえ順調ではなくても心の平安を得る実に有意義なものなんだけど...
残念なのは、その趣味の理解者は少ないこと...とくに普通の家庭に置いては、資金の面でも場所の面でも同居人の理解及びに許可を得るのは至難の業となる。

それにしても、世の中にはこの狂気中の狂気の人って、結構多いものだ。
道具の次に多いコレクターは、「本」...つまりゴルフ関係の「古書」を集める人達。
でも、これは日本にではあまり価値あるものは多くないので、どうしても本場英国やアメリカの「古書」集めになる...つまり、英語をある程度自由に出来ない人には敷居が高い。
他に多いコレクションは、切手、古画、スコアカード、人形、マーカー、著名ゴルファーのサイン...等々。

面白いのは何人か知っているこういう人達、それほど上手い人は多くなくてせいぜいシングルでも8~9、一番多いのはアベレージクラスの人達...なんかコレクションに情熱を向けた結果、技術を上達させる方向にはあまり情熱がなくなってしまったみたい。

でも、幸せそうなゴルファーばっかりだ(笑)。