ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2010マスターズ最終日

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終わってみると、なんだかハリウッド映画を見ていたみたい。
皆の期待を背負った善玉のヒーローが、劇的な優勝を遂げて愛妻や子供と抱き合って...のハッピーエンディング。

もちろんそれが嫌な訳じゃあない...むしろそういうのは好きなんだけど。
でも、どこかで時代を変えるニューヒーローの登場や、「老兵未だ死なず」のベテランの大復活優勝なんかを期待してもいた。
しかし、結果は本命中の本命の優勝で、これでアメリカの景気もぐっと良くなろうかというくらい皆に祝福されるミケルソンの優勝となった。
それにしても曲がるドライバーで、2打目がトラブルショットの連続となる場面で、よくもミラクリカバリーを見せ続けて崩れずに戦ったものだ。
ミケルソン得意の、トリックショットじみたボール扱いのうまさには本当に感心する。

2位となったウェストウッドは、クールにプレーするのはいいんだけれど、その中に我々に訴えかけてくるような迫力が感じられない。
やはり単独首位でのスタートという事で、まだメジャーに勝っていない者としてのプレッシャーは想像以上のものがあったんだろう。
守りに入ると言うか緊張し過ぎていると言うか...昨日までのプレーが出来ていない。

惜しかったのが、韓国のチェと韓国系アメリカ人のアンソニー・キム。
キムの爆発力は、右手指の怪我があっての上でのプレーという事を考えると凄いもので、怪我が治れば近い将来メジャーを勝つ事になるだろう。
チェは安定してスコアを伸ばし、一時首位に並んだが13番ロングのボギーで勢いを失ってしまった。
これがゴルフの女神の気まぐれみたいなものなんだろう..
タイガーとは回りやすいと言っていた通り、常にタイガーより一歩先に出ていて、タイガーは18番のバーディーでやっとチェに追いついたほど。
タイガーのプレーに影響されない辺り、タイガーキラーなのかもしれない。

カプルスは、昨日の心配通り山ほどのショートパットを外しまくって、圏外に消えた。
バーディーチャンスに絡むショットの正確さは、参加選手中一番じゃなかっただろうか。
ずっとワンピン以内に絡むバーディーパットを外し続けているうちに、女神に見放されてしまった。
アウトで半分でもワンピン以内のパットが入っていれば、首位に並んでいたはず。

そしてタイガー。
今までの暴虐無人なアクションは見せる事はなかったが、ミスした時の嫌な顔は相変わらず。
上手く行った時の表情とミスした時の表情が、判り過ぎるほど顔に出る。
それが好きな人もいるんだろうけど...

池田はよくやったと思う。
ただ初体験のマスターズ...「お客さん」みたいな風情で、オーガスタに馴染んでいなかったなあ。
もちろんしょうがない事だけど、今は他の選手に比べると「フライ級」のような存在感の軽さが、経験を重ねる事で「ミドル級」から「ヘビー級」の存在感(オーラ)が出るまで大きくなって欲しいと思う。
アジア勢がキムやチェなんて韓国人選手ばかりじゃなくて、日本代表としてこれから世界の第一線で戦って欲しいものだ。

毎朝早起きを続けた、ゴルフシーズンの始まりを告げるゴルフの祭典「花のマスターズ」が終わった。
さあ、これから全英オープンまでがゴルフシーズンの真っ盛り。

これからは、ゆっくりと自分のプレーを楽しむとしよう。