ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

忘れられないプロゴルファー...32「ニック・プライス」

イメージ 1

ニック・プライス、ジンバブエ出身のプロゴルファー。

1990年代半ばに全盛期を迎え、メジャー3勝、93.94年アメリPGA賞金王...なのにスーパースターの持つオーラが感じられないのは何故なんだろう。

この人のスイングを見ていると、まるで空手の「型」の模範演技を見ているような気になる。
極力無駄な動きを廃して、シンプルに再現性の高い動きを身体に覚えこませているように見える。
それはこの人のプロとしての活動が、パーシモンに糸巻きボール、スチールシャフトの時代から、メタルヘッドにツーピースボール、グラファイトシャフトの時代への転換期だったからかも知れない。
複雑な動きの必要なパーシモンヘッドの打法から、よりシンプルな方が結果を残せるメタルヘッドの打法に変わるときに、より確実性を増すためにシンプルなスイングを目指したのではないか。

ニック・プライス自身が、スイングをよりシンプルにするために1軸打法を10年以上レッドベターと一緒に作り上げてきたと言っている。
そのせいか、見ているとドライバーの正確性と、アイアンの正確性、アプローチの上手さとパッティングの上手さ...が売りで、決して普通のゴルファーが度肝を抜くようなショットは打たない。
いわゆる「玄人好み」のプロと言えるだろう。
「渋い」...としか言えない。

面白いのはスイングを極限までシンプルに作り上げようとしているためか、クラブをいじくり回すのが趣味だという事...そして悩みは「飛ばない」ことだって!

地味ーだけど、面白い男,ニック・プライス。
飛ばすことを捨てて、正確性を追求したスイングをほぼ完成させながら、道具で飛ばしの夢を叶えようなんて。
...2007年から、チャンピオンズツアーに闘いの場を移して、あの「シュバッ!シュバッ!」と服から音の出るような、まるで武道のようなスイングを続けている。