ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

49回目の結婚記念日の「旅」ゴルフ

 

今年11月25日は、俺が結婚して49年...49回目の結婚記念日。
まさかね...俺は自分が結婚できるなんて思わなかったのになあ...

どうせ一度の人生と、やった事も無かった「イラスト」というものを描き始めた時に、牛乳瓶の底のような「超近視」のメガネをした、髪の長い、超ミニスカートを履いて小太りの、みんなに「ブス」と言われていた一つ下の女の子と出会った。
他のどの男も彼女には興味が無いみたいだったが、俺の目には「メガネを外せば、俺好みの凄く可愛い顔をしている」と見えて、色々と声をかけていた。
しかし、ある時の飲み会で俺が酔っ払って彼女の髪を触っていたという事が、本人かその仲間の間で問題になったらしく、そのあと一人の女性に呼び出されて「彼女が嫌がっているから近づかないで」と非難された。
これには腹が立ち、傷つきもして(いまでも傷ついている)、もう二度と彼女には合わないとグループをやめ、ついでに学校もやめ、バイトしながら絵を描く毎日を始めた。
この「バイト生活」は(ほぼ自分の人生を投げている気持ちもあったので)、社会の裏や底辺と言われていた人たちハードな仕事の手伝いをする仕事ばかりを選んで働いていた。(結果として体力と度胸と喧嘩慣れが身に付いた。)

という生活を何年か続けた後、新聞の「イラストレーター募集」と言う募集広告を見て銀座1丁目にあった広告代理店に応募して就職(半年くらいだけ)。
そして、その会社のすぐ近くに、うちの奥さんが就職していた出版社があった。
で、ある日この広い東京で偶然バッタリ再会する。
この時には二人の付き合いを邪魔する「友人」と言うのがいなくて、ついでに彼女の家の「家庭の事情」(これが後で一番大きな原因だったと判明する)もあって、「え? そんなに早く?!」と驚いている間に具体的に「結婚」という事になってしまう。
出来ちゃった婚」どころか、デートもろくにしてないのに、だ。

しかし、そんなことが決まった後に彼女といろいろ話をしてみると、「貧乏はそんなに気にしない」とか、「私もできるだけ働く」とか....
その時には「フリー」と言う名の無職状態だった俺が、断る理由なんて一つも無かった。(それに俺は「他人の為」の方が真剣に働けた。)
そしてこの時、それまで夢も何にも無かった人生を、俺自身が「これで俺の人生に「負け」は無いな」なんて、感じたのは確か。

それからもう49年。
可愛い娘二人のおかげで(まだ二人とも結婚してないんだけど)、私は十分幸せだと言ううちの奥さん(それ以外は何にも無いらしい。)。

で、「結婚記念日」...コロナから立ち直って2週間、(娘は反対していたが)ゴルフをやりたいと言う奥さんが「冬が来る前にラウンド出来るのは今年最後だから」と、ほぼ強引に出かけた今回の旅ゴルフ。

コースはうちの奥さんも気に入っている、俺のホームコース。
ハウス前の木は、写真の様にもうすっかり葉を落とし、時の流れを我々にリアルに感じさせる。

 

 

おばなコースに連なる、赤く紅葉したメタセコイアの美しさは俺のお気に入りの光景なんだけど、今回はおばなスタートは取れずにさつきスタート。
この辺のいわゆる「関東北部の低山紅葉」は、日光や那須のような「錦織りなす色彩」とは違う「微妙な茶色の変化」の地味な美しさなんだけど...俺やうちの奥さんはこの「地味な紅葉」が好き。
 この日25日の天気は「快晴・微風・最高気温16〜17度」。
前々日が豪雨、前日が強風、翌日が雨と曇り、と言う 「まさにこの日しか無い」絶好の「ゴルフ日和」。

惜しいのは、地味なりに美しい低山紅葉の、その「紅葉の盛り」を少し過ぎていた事。
本来の「紅葉した明るい茶色系」の美しさより、「枯れ始めた燻んだ茶色」が半分以上になっている。
そのためコース上にも枯葉が多く、結構人出をかけてブロワーで飛ばしていたが、ボールがちょっとラフに入ると枯葉に隠れてロストになる事がいくつかあった。

でも、やはりこの日は文句のつけようの無い「ゴルフ日和」...我々は、ゴルフコースの神々に祝福されている?

 



ゴルフの内容は、「当たれば嬉しい、気持ちが良い」レベル。
9月の後半から「出来れば毎週1ラウンド」を目標にしてたのに、不整脈の再発やら貧血やら痔やらコロナやら...手術・入院も2回して、ラウンド予約はほとんど全部キャンセルした。
今じゃ、自分が今年何ラウンド目かも分からなくなった。
あれ?俺は今年10ラウンド越えたんだっけか?

それでも、シニアティーから(今回初めて使ったが、この方がヒッコリーを楽しめる)ボギーオンは出来る...それをほぼ5メートルには寄せられる...なのにパットが全面崩壊。
5〜6メートルからスタート4ホール連続3パット。
1パットならパー、2パットならボギー...なのに、ダボ以上しかスコアカードに書けない。
大雑把に言って、さつきが52(22パット)、あおいが52(21パット)くらい。
思ったより良いゴルフが出来ているのに、パットが全く入らない...50センチ以内を4回も5回も外すと、パットを打ちたくなくなる...乗ったら2パットと決めておく「アイゼンハワールール」を採用したほうが良いのかも。

 

奥様、49年も俺の我儘に我慢して頂いて、まっことありがとうございます。
俺の人生、何にも無いけど...おかげで「負け」は無い、とまだ思っています。

本当に本心から感謝しております。