ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

#イラストレーション

廃船

海に背を向けて、廃船が独り 潮騒を聞きながら眠っている 塗料は剥げ落ち 金属は錆び、木は朽ちて もう二度と海に出る事はないだろう 俺には 船が海に背を向けているのは 彼の意思のように 見えた (ブログ「人・酒・旅」より)

遠い空を...

久しぶりに家族が揃った時間には かって普通にあった 溢れるような娘達の笑い声が再現される それは遠い夏の日のキャンプや 幼い姉妹が遊ぶ湯船に 何時も溢れているものだった 夏の日のキャンプで何時も願っていた 「この時間を何時までも」 という願いが聞…

疲れたら...

疲れたら 休もうよ もう がんばって来たんじゃない ほんとうは 疲れているんじゃない 逞しさだけ見せようと 心配だけはさせまいと じゅうぶん 無理して来たんじゃない なあ 強いだけの奴なんて 本当はいやしないんだ 心折れそうなのは 感じているんだろ 涙が…

Spring has ...

梅はもう咲き終わったし さくらのつぼみも膨らんで 先週 冬は最後の力で雪を降らしたけれど 花粉に負けて素直に味わえないけれど 世の中なんだか春なんだ... そうね 風は暖かく陽が明るい 猫はのんびり散歩する ...楽しんでもいい季節かも (ゴルフ以…

がんばっても...

練習しているんだけれどねえ... 真面目にやっているんだけれどねえ... 悪いところはわかっているから 自分なりになんとかしようと こんなに努力したことなんて 自分の人生にはなかった様な気さえするんだけれど 報われないもんだねえ 上手くなれないも…

花はどこへも行かない

ああ 開いて咲いて数十年 かって か細く優しく咲いた花 ずっとずっと 咲いたまんまで数十年 花も嵐も踏み越えて 嫌いな奴らを踏みつぶし 色香が落ちれば塗り直し 女は女で数十年 咲いたまんまで数十年 男は灰となり滅びても いつまでもいつまでも花と咲く (…

路上で...

路上で酒飲む男には 人恋しさが丸見えで 聞いて欲しい 話して欲しい 誰でもいいから なんでもいいから 人は目の前を通り過ぎ 言葉は遠くを通り抜け 男は影まで無視される 男は酒にまで無視される 見つけてくれないかくれんぼ ...鬼はここにはいないのか …

たまには...

情けねえ奴だ ふがいない奴だ 意志は弱いし 臆病だし 口先ばかりで お調子者で 楽な事ばかりやりたがる あっちこっちふらついて みんな他人のせいにして 叶わねえ夢ばかり見てやがる どこで道を間違えたんだか はじめっから道なんかなかったか 外面ばっかり…

見つからない...

なあ みんなはじめての道を来て はじめての時を行くんだ もう 帰る事も出来ないし 帰り道なんかありゃあしない 疲れ果てても 飲んだくれても 帰る道など見つかるもんか しょうがないと諦め果てても くそったれと絶望しても つまんなくても行くしかない 知ら…

満天の星の下

東京の下町の空には 星空なんて見えやしない 色とりどりの光が溢れ 人の笑い声が溢れる ガード下の喧噪の中 男は一人酒を飲む 男の周りに光はない 男の周りに人はいない 男は独り 満天の星空の下 そのまた下で 酒を飲む (これはゴルフブログ以外のブログ「…

どんな風に...

流れて来たのか 流されて来たのか いつの間にかこんなところにいる 別に不満もないんだが ちょっと心がちくりと痛む こんな風で良かったの? あんな風で良かったの? まあ どんな風になったって 後悔なんかしないように 本気で生きては来たんだが まだ思い出…

薔薇一輪

通り過ぎようとして 赤いものが一つ 振り返れば 枯れて走る刺に護られて 小さな薔薇一輪 冷たい北風に 震えて高く さて それを見て 俺は青空を見上げる なにか 遠い昔に なにか 忘れたことがあったような (これは、ゴルフ以外のブログ「人・酒・旅」に発表…

朽ちてなを

岸に繋がれて どのくらいになるんだろう 既に底は抜け 枯れ草が身を突き破る 冷たい風 冷たい水の上 それでも 繋がれたロープに抗うように 気持ちは川に乗り出して たとえ 沈んでしまうのがわかっていても ここに繋がれて 朽ちて行くのは嫌だというように (…

モロビトコゾリテ...

モロビトコゾリテ ミンナデシアワセヲ サガシマセウ なんだか 幸せがこの世に溢れているような カミサマが みんなを幸せにしてくれるような 昴やオリオンの輝く空が 祝福で満ちているかのような まあ、いいや 他人もみんな一緒に シアワセになりましょうなん…

繋がれて...

この川船を見かけるとね いつも思うんだ 海には行けない川船も 海に漕ぎ出す夢を見る どうせこのまま朽ちるなら 無理を承知の大洋で 死ぬまで走る夢を見る なんてね なんだか 不細工に浮いている川船が 岸にがっちり縛られて 泣いてるような気がしてね (ゴ…

ジングルベル

街には 華やかなイルミネーションと 楽しそうなジングルベル 立ち尽くす男には 鳴らない楽器と 古びた帽子 どこを向いても明るい光 どちらを向いてもジングルベル ジングルベルが鳴り止まない いつまでも ジングルベルは鳴り止まない (ゴルフではないブログ…

既に線路は取り払われて 踏切の後だけが寂しく残る 目を閉じれば ここを通り過ぎる列車の音が聞こえるようだ この警報機が最後に音を出したのは どのくらい前のことなんだろう いつも線路や踏切に 旅への憧れが湧き上がる ...なかなか「旅」に出られない…

生きている...

本当に この年まで生きているなんてことは 考えもしなかった まだ絵を描いているなんてことは 考えたこともなかった 生きている ではなくて 生かされている ってことなんだろう 偏屈で 不器用で 人見知りで 善人でも 好人物でもない この俺が こんなことして…

あれから...

あれからもう36年 ずいぶん遠くに来たもんだ 山あり谷ありというけれど 谷ばっかりが多くてさ 若さに輝いていたお前も すっかり落ち着いてしまったし 俺はと言えば 相変わらずに落ち着かず 「途上にて」の人生は ずっと途上で終わりそう 「泣き」と「笑い…

閑話休題

きっと明日は 今日よりいい風が吹く きっと明日は 報われる ...なんて思わないとね お酒も美味しくなくなるのさ しんどいなあ... なんて思ったら 明日がいい日になるわけないし 酒が美味しくなる訳がない ま あてにしてなくても きっといい風が吹くと…

長い付き合い

同じように年をとり 同じように酒を飲む 声に激するところ無く 声が途切れることも無い 時折グラスを合わせては 摘みを摘んでうなずいて 喧噪は遠くなり 時の流れが速度を落とす 「おまえもな」 「おまえもな」 言葉の終わりはそればかり (これはゴルフブロ…

見上げれば

道ばたで独り飲む酒は 腰が曲がり 背中が丸まり 世界が足下だけになる ふと 耳元を吹き抜けた風に誘われて 背中を伸ばして見上げれば ネオンの光に汚された くらい夜空に星一つ ずうっとそこにあったのか ずうっと光っていてくれたのか 気がつかなかったなあ…

凛として...

前を見つめて 背中を伸ばし 静かに静かに 喧噪は 彼女に届かず 世界は 彼女を巻き込めず ただ独り 遥かに離れて 凛として...飲む 俗世界に浸かった俺は 遠くから酒の力を借りて 過ぎ去った時を辿り 若い日の彼女に出会う (これはゴルフ以外のブログ「人…