昔、高校の修学旅行で来た時には四国と本州をつなぐのは「連絡船」しかなく、有名な宇高連絡船で雨の瀬戸内海を渡った思い出が蘇る。
それが今は四国と本州をつなぐ橋が3つも出来て、今回はそのうちの二つを渡る予定。
「しまなみ海道」はこの3つの橋で最も有名で人気があり、うちの奥さんがまず最初に行きたいと言っていた所。
少し白く霞んでいたが、天気は晴れて景色も良く見える。
今回は他に目的地が複数あったので、ゆっくり通り過ぎるだけだったが、次があれば海賊関係の史跡も見たい場所。
気持ちよく走りながら来島海峡を渡ると、ついに四国。
そして最初の四国での目的地が、松山城。
松山市内に入っても高台にあるはずの城はまったく見えず、カーナビではすぐ近所に来ていると表示されているのに、城のある山の下の石垣近くに行くまで城を見ることができなかった。
が、曲がり角を曲がった途端に、想像よりはるかに高く大きく松山城と城山の姿が出現して、車内に「うわあ!」「すげえ!」という声が響き渡る。
カーナビの案内に従ってゴールまで行くと、街中の駐車場が多くある地域に着く...近くの空いている駐車場に止めて車外に出るが、どっちに行けば城に行けるかさっぱりわからない(城が見えない)。
スマホで調べると、すぐ先に「ロープウェイ」とある。
「ロープウェイ?ってなんだ?」
とそこまで行くと、城のある場所までリフトかロープウェイどちらでも行けるんだと。
よくわからないまま景色が良さそうなリフトに乗ると、結構な斜面を結構な距離リフトは上がって行く...あとでわかったが、松山城はかなりの高さの山の上に造られていて、まともに下から全部歩くと「ほぼ登山」並みの体力と時間がいるんだと。
日本に残る「現存天守」のある12の城...つまり、コンクリートや近代建材で新たに造られたものではなく、数百年の歴史をそのまま残した12の城のうち、四国には松山城・宇和島城・高知城・丸亀城の4つがある。
この4つの城を見て触れるのが、今回のこの四国の旅の一番大きな目的。
その最初の松山城は、期待以上の素晴らしさだった。
この城が残っていることは、日本人が世界に誇って良い素晴らしい奇跡だと、俺は思う。
俺が感じたその一番の魅力は、「石垣の曲線の美しさ」。
その石垣の重なりと、当時のまま残る門や櫓との重なり・広がり・奥行きの壮大さ。
派手な色のない、だが周りの自然と全く違和感を感じさせない、落ち着きのある佇まい。
かなり暑さを感じる天気だったが、天守閣に登るとその窓から吹き込む風は数百年の時を超えて、涼しく気持ちの良い夢を見させてくれる。
窓から見下ろす街並みは遥か下に連なり、ここが結構な高さの山の上に築かれた城だということが分かる。
月並みだけど、出てくるのは「よくもまあ、こんな場所にこれだけの城を作ったもんだ」...全く凡人俗物の感想なんだけどしょうがない。
ただ、周りに高いビルディングが立ち並んでいるので、周りの道路は見えない...ここに近づいても道路からなかなか見えないはずだ。
城の周りのある程度の距離は、高い建物は控えるべきだと思うんだけどなあ。
しばし、過ぎた歴史の風を味わってから、次の城「宇和島城」に向かう。
城についてはつい書くことが多くなってしまうんで、次回も2日目。