４０歳前のことだったけ．．．その頃入っていたコースの月例で、７０代のシングルさんと一緒になった。
その人は仕事がダンスの先生ということで、まだダンスの練習は毎日欠かさないと言っていた。
そのスイングが、見事なフルスイング。
ドライバーもアイアンも我々が驚くくらいの勢いで振り切って行く。
それまで見たことのある７０代の人の「いかにもシニアスイング」というのではなく、「ブンッ！」と音を出して振り切る。
その人を見て、他の３人（いずれも４０代）で話したのが、「我々が７０になる頃、ああいう風にゴルフができるだろうか？」
「ゴルフができるほどに健康で、ゴルフに行けるほどの金があって、気持ちが若い頃と変わらない．．．て。」
「我々も７０になった時に、ああいうゴルフができれば、きっとそんな人生は『いい人生だった』と思えるんだろうなあ。」
で、そんな歳が近づいてしまった俺の訳だが．．．あちこち体が痛いながら、なんとかクラブを振れる。
なけなしの金をかき集めながら「安い」ゴルフ場なら行ける。
気持ちは「大人気ない」と「ジジークサイ」の間を揺れ動きながら、ともかく下をむかないようにしている。
ただ．．．遊びが、謙虚でノンビリと「玉打ち」自体を楽しむヒッコリーゴルフと、ひん曲げたりぶつけたりひっぱたいたりでバーディーのみを目指すイケイケゴルフとで、ちょっと迷っている。
この前までは、集めた糸巻きボールがなくなるまで（普通なら多分一生分はある）ヒッコリーで遊ぶつもりだったんだけど、この前の強風の大原御宿のゴルフでのように曲げに曲げて、パンチショットでピンしか狙わないゴルフも、俺の本心では意外なほどワクワクして面白かった。
つまり、自然のあるがままにそこにいるボールの行きたいように、散歩のようにヒッコリーで回るゴルフと、失敗当たり前・バーディーだけが欲しい強引ギャンブルゴルフも、どっちも面白がってる自分がいるんだよなあ。
そうなると次の「つつじのある風景楽しみラウンド」を、どっちで楽しむか迷ってしまう。
カッコーン．．．ポッコーンのヒッコリーゴルフ。
ドッカーン．．．バチコーンの現代ゴルフ。
次はどっちで行こうかなあ．．．何しろこの選び方で、ラウンド中の俺の人格まで変わるからなあ。
