ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

スマホが反応しない...

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ケータイが鳴った。
つい忘れてしまいがちな着信メロディーの音に、ふと気がついて慌ててケータイを取り出して応答する為に人差し指でスライドさせる。
「ん?」...反応しないで着信メロディーが鳴り続ける。
慌てて2度3度と人差し指を強く押し当てて、左から右へスライドさせる。
が、やはり反応せずに着信メロディーが怒ったように鳴り続ける。
人差し指を湿らせて、「やっと反応したか」と思った時には着信メロディーは止まって、「不在着信」の表示。
...最近、こんな事が多い。
スマホのタッチパネルは「静電容量方式」と言って、静電気を帯びた指先とタッチパネルの通電に寄って反応するのだけど、指先の水分が足りないと静電気が発生せずに反応しなくなる。
この場合は指先に湿り気を与えると、反応するようになる。
...つまり、原因は俺の指先が乾燥していて、通電しなかったと言う事。
言い換えれば、俺は水気が足りない、と言う事だ。

よく言われているのが、「老いる」と言う事は「水気」が抜けて行く事だ、と言う言葉。
かって美しかった女性が年齢と共にその瑞々しさを失って、肌の張りがなくなりシワが増えて行く事はみんな寂しく理解している現象だろう。
が、人は自分の事となるとつい若い人々と同じ感覚で行けるように錯覚してしまう。
スマホはそんな自分に、「お前は年をとって乾燥しているから使えない」と宣告しているのだ。

思い返してみれば、そんな事は日常生活に沢山あった。
スーパーのポリ袋やゴルフ場の風呂場のビニール袋は、なかなか開け口が開かない。
本のページもなかなか捲れないし、掴もうとした紙類もなかなか指に落ち着かない。

昔、年寄り達がやたらと指を舐めて紙類やビニール類に触るのが気になっていた。
そんなにあれこれ舐めた指で触るなよ、とか思って。
今は、その事情がよく判る。
...年寄りは、何か舐める以外に指先に湿気を与えるものを考えなくちゃいけない。
周りに「不潔感」をもたらさない、実際に不潔じゃない「何か」だ。

以前聞いた話に、「キャバクラのホステスが、年寄りのケータイ(スマホ)は臭いと言っていた」というのがあった。
そのままでは画面が反応しない為に、つい指先を舐めて操作するので、その匂いが着いてしまうから、というのだ。

俺のスマホiPhoneの5sだけど、こういう「スマホ」の「タッチパネル」と言うヤツは、年寄りにとっては欠陥製品なのかもしれない。
「技術の進化」と言うものの対象が若者向きならば、それが年寄りのとっては「不便な製品」「退化した製品」となる事も多くなる様な予感がしている。