ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2017年全英オープン4日目


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スピースと言うゴルファーは、もちろん才能があるのは判っていたけど、特別に「強さ」と言う事は感じられないゴルファーだった。
むしろ、中流の善良な家庭で育った品行方正な優等生で、今勢いのある若手の中では「線の細さ」さえ感じられる存在だった。
それもあのマスターズでの「大崩壊」で、すっかり自信をなくした「傷ついたガラスの精神」と言うイメージが出来て、デビュー当時のあの強さはもう戻って来ないと思っていた。

が、この全英オープン最終日でスピースに、初めて「鬼の様な」強さを感じた。
明らかに一皮剥けた「強いスピース」に生まれ変わった気がする。
13番での大トラブル。
それに対する30分にもなる執拗なルールオフィシャルとのやり取り、権利の主張。
そして、一旦はクーチャーに逆転された後での、14番バーディー、15番20mのパットをぶち込んでのイーグル、16番10mはあるかと言うパットを入れてのバーディー、17番バーディー、と言う「4ホールで5アンダー」と言う驚異の集中力。
この間にクーチャーもチャンスにつけバーディーを奪っているのだが、その目の前での「これでもか!」と言う様な畳み掛けるラッシュ攻撃。

この様子を見ていたプロゴルファーが「スピースは残酷だ」とツイッターをしたと言うが、俺自身もクーチャーの身になってそう感じてしまった。
一発パンチが入った後での、相手を完全にダウンさせる迄の執拗なラッシュ攻撃、と感じた。
今迄のスピースは、リードして行って競ってもまたリードを静かに重ねて無難に勝って行く、というイメージで、こういう不利になった後からの乱打戦で相手を倒すイメージは無かった。
このラスト5ホールのスピースのゴルフに、かっての帝王達の相手を恐れさせる「鬼」の強さを見た。
...スピースはこの乱世を制する帝王になるかもしれない。

才能に満ちあふれたマキロイは成功の甘い蜜を腹一杯食べ過ぎて、いい時はいいが悪い時は悪いただの天才ゴルフになってしまったし、ジョンソンには色々な噂が聞こえ過ぎるし、デイはその刃の切れ味が落ちて来ている気がするし...鬼になったスピースに対抗出来る奴はいるだろうか?

松山は3日目が良かったので期待したけれど、終わってみればいつもの2日目4日目が良くて1日目3日目が悪い「一日おきゴルフ」が、今回は1日目3日目が良くて2日目4日目が悪い「やっぱり一日おきゴルフ」に変わっただけだった。
遠いなあ...



さて、オレにとって今年のメジャーは終わり。
ショーとしては楽しめるが、自分のゴルフには何も参考にならなかったのはいつもの通り。
ゴルフはやっぱり「見るよりやる」ものだ。

涼しい所でヒッコリーゴルフでもやりたいんだけれど、あと1ヶ月以上気温30度オーバーが続くんだろうなあ...