ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

色々変わるゴルフの楽しみ

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ヒッコリーシャフトのクラブを、偶然コースで打った時から始まったヒッコリーゴルフ。

自分にとっては、30年を越えるゴルフライフで経験した事の無かったあれこれを経験させてもらって、まさに「目から鱗が数百枚落ちた」様な感覚なんだけど。
だからといって、この「変態ゴルフ」の上を行く「アウトルールゴルフ」であるヒッコリーゴルフをみんなに勧められないのが非常に残念だ。

今ゴルフに燃えている人達も、少しこれを体験してみるとつまらない固定観念が消えてゴルフの腕が上がるのが早くなる様な気がするんだが...これが簡単に経験する事が出来ない厄介なものでもあるので、「ちょっとやってみない?」とは言えないのだ。

自分の経験で言えば、ヒッコリーシャフトのアイアンやウッドは、少し素振りをしているとクラブが「こういう風に振ってくれ」と教えてくれる気がするのだ。
だから、ぶっといシャフトの先に小さな鉄板一枚がついている、まるで大きな耳かきか茶さじの様な変なクラブが結構当たってくれるのだ。
これを経験すると、現代のクラブの広告で言いまくっている「科学的な能書き」が信用出来なくなって来るのだ...曰く、重心深度がどーだ、キャビティがどーだ、ネックがどーだ、慣性モーメントがどーだ...

多分似た様な事を感じた人達が、一時期「グニャグニャシャフト」やら「スイング練習機」なぞの方向で、同じ事を教えようとしたのかもしれないが...この辺は突っ込むと複雑で大変な説明なんかが必要になるので、専門家に任せておく。

問題は仲間とのコンペなんかでも、これで楽しもうとするとルールの問題が出て来る事だ。
アイアンは溝規制なんかではなんにも当てはまらない代物で、溝が無かったり太く大きな溝が数本あったり、ドットだけが刻み込んであったり...
私が集めたのは全て数十年から百年は経っている、昔使われていた古いヒッコリークラブ。
実用は出来ないだろうという「ジャンク扱い」での出品物を集めて、それを無茶せずにそっと使おうとしているもの。

使うボールだって問題だ。
今の2ピースや3ピースボールではシャフトに負担がかかり過ぎるので、昔の糸巻きボールの、それも出来れば「スモール」ボールを使おうとしている。
このスモールボールと言うのは昔はイングリッシュサイズとも言い、直径1.62インチ(41.15ミリ)で、対するラージボールはアメリカンサイズとも言い直径1.68インチ(42.67ミリ)で、1988年にゴルフボールのサイズはアメリカンサイズに統一された。

しかし、1988年以前はイギリスを始めとするヨーロッパ各地や日本ではスモールボールを使っていたので、古い糸巻きのスモールボールはヒッコリー時代の最後の方では使われていたはずだ。
クラブを作る立場でもスモールボールを念頭に作られていたと思えるので、このボールをハーフショットで打つようにすればクラブに対するダメージが一番少ないはずと、ネットや古物屋で買い集めていた。

もちろんこのボールは公式のラウンドじゃあ、立派な違反ボールだろう。
だから、知り合いのコンペで使うにしても一応主催者の許可を得る必要がある。

こんな道具達だから、普通のゴルファーが気軽に体験出来るなんて事はあり得ない。
道具を揃えるのも大変で、打っても飛ばないし(特にボールは糸ゴムがすぐに切れて真っすぐ飛ばなくなるし、飛距離もすぐに落ちて来る)、無理をすればクラブはすぐに壊れる。
余程経済的に余裕がある人でなければ、スコアまで納得する様なゴルフは不可能だろう。


ただ、これを使うのは気持ちが良いし、長い目で見れば自分のスイングに絶対にいい影響が出ると思う。
しばらくヒッコリーを使ったあと自分のクラブに戻れば、腕力頼りで合理性を無視したパワーオンリーのスイングは必ず変わっているはずだ。

万人向けではないのを承知の上で、ヒッコリーのゴルフ...チャンスがあったらどこかで是非体験してみて、私の書いた事を思い出して欲しい。。